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オレは、ぎゅっとニノを抱きしめて、耳元で囁いた。
「なに？きこえない」
「だって……、だって相葉さん、そんなふうに言ったら、まるで……」
おれのこと、すきみたいじゃん
って、言った声は、もっと小さくて、
ちゃんと聞きたくて、もっとぎゅっと抱きしめた。
「だから、聞こえないって」
「……相葉さん……。え？ほんとに……？」
ニノの目に、涙の粒が溜まっていく。
今にも零れそうになったそれを、オレは思わず唇で掬った。
とっさにぎゅっと目を閉じる、と、ぽろんと１粒こぼれ落ちて。
小さく震えるその姿が、たまらなくいとおしくて。
「すきだよ」
って、もっと小さく囁いた。
「聞こえない……聞こえないよ、相葉さん」
「じゃあ、もっとくっつこ……」
もう、言葉にならなくて。
二人でそのまま、一番近くで想いを確かめあった。
「ねえ、この荷物はこっちでいいのー？」
「大丈夫ー、ありがとね、みんな」
ニノの引越しに、みんなで手伝いに来た。
前のワンルームとは全然違う、広い部屋にびっくり。
「さすがスターは違うよなあ」
「もう、おーちゃんやめてよ、そんなんじゃねえって」
あらかた片付いて、時間もいい時間になって……ご飯でも行こうって話になって。
みんなでぞろぞろと家を出る。
３人が歩き始めた、うしろをついていくオレに、ニノが並んだ。
「これ、持っててよ」
って……手に、何かを握らせた。
「え、コレって、」
開いた手のひらに、鍵。
「また終電みおくっちゃったらさ、使ってよ」
そっぽ向いてそんなこと言うから。
鍵、持ったまんまニノの手を握った。
「痛いよ、刺さる！」
「ごめんごめん、嬉しくて……」
「相変わらず力加減おかしいのよアンタ……」
前を歩く3人が、オレたちの声に振り向いた。
「はいはいそこー。路上でイチャイチャしないー！」
「全く、やっとくっついたか……長かったな」
「え？え？ふたり、そういう感じ？」
「しょーくん、おせーよ」
言い合う3人に追いついて。
今日は祝杯だなって。
とりあえずビールの人ー！はーい！って手を挙げて。
笑う５つの影が、夕方の道に伸びた。
(おしまい)
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北嶋 蛍(プロフ) - だんぼさん» だんぼさん、ありがとうございます！空白の時間があったからこそ、想いも深くなって、よりいっそうお互いを大事に思ってくれるんじゃないのかなって期待しています。そこまで描ききれない不甲斐なさに悔しく思っています(＞＜)ありがとうございました！ (2017年12月12日 15時) (
レス) id: f21e71d430 (このIDを非表示/違反報告)
だんぼ(プロフ) - 終電なのに飛び降りちゃう相葉さん…。逆ギレしちゃう相葉さん…。ぜんぶぜんぶあの子の心に刻まれてる、はず。長い時を経て自分の気持ちに向き合って、そして結ばれたこの2人最高です！蛍さんおつかれさまでした！あちらも楽しみにしてますね！ (2017年12月12日 8時) (レス) id: b513b55378 (このIDを非表示/違反報告)
北嶋 蛍(プロフ) - レー子さん» なにしろ、長い長い片思いの後ですからね…。一筋縄ではいかないんです。なんて、ここでClose…の話しててすみません笑。カッコイイ翔さんを書くことが目標です！頑張りますー！ (2017年9月19日 22時) (レス) id: f21e71d430 (このIDを非表示/違反報告)
レー子(プロフ) - 翔さんがかずくんと真正面から向き合うまでの時間の長さかな〜と思って、悶々としながら待ってます(笑) (2017年9月18日 23時) (レス) id: 44e3202625 (このIDを非表示/違反報告)
北嶋 蛍(プロフ) - レー子さん» きゃっ(/ω＼)嬉しいですー！あちらは、というかClose…は今、ラブが無い展開でなかなか進まず、すみません…。遅筆で申し訳ないばかりですが、納得出来るように頑張ります！いつも励ましの言葉、ありがとうございます！ (2017年9月18日 22時) (レス) id: f21e71d430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北嶋 蛍
作成日時：2016年9月15日 0時
