涼くん……［黄○］［男主］ (ページ49)

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翌日、俺は部活を休んだ。

赤司っちには昨日休むとは伝えたけど念の為今日も電話をした。
Aをこのまま放って部活をできるほど俺の心理状況は穏やかではなかったから。

【Aはまだ寝てるのか？】

「うん、ぐっすりっスよ。…手間かけてすんませんっス」

俺はベッドに腰掛け、すぐ横で寝ているAの顔を見た。

【いいさ。鈍感な幼馴染に変わって俺が世話焼いたんだから】

大学生になってから何かと助けてくれるのは決まって赤司っちだった。
目端がきくし、何より鋭い。
俺や他の人が困ってるといつも話を聞いてくれる。

服の袖を引っ張られた気がしてAを見ると不安そうに俺を見ていた。

『…涼…くん……』

「おはようA」

と言うと安心したのか手元に顔を擦り寄せ手を絡めてきた。

『おは、よ』

「A起きたからまた後で連絡するっス」

【あぁ】

携帯を置いて空いた方の手でAの頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じた。

「気分は？」

『へーき』

「そっか」

何から聞いたらいいんだろう。
まだ全然言葉が纏まってない。

『…部活は？』

「休んだっスよ」

こんなA置いて部活なんて出来るわけない。
怪我するのがオチだ。

『…僕、帰るね。……涼くん今からでも部活行けるんじゃない？赤司さんたちに怒られちゃうでしょ？

あ、このジャージ貸してね。ちゃんと洗って返すから』

「まってA、話したいことあ＿＿＿＿」

『じゃあなんで…！さっきからそんな素っ気ないの…っ？

…大会近いんだし、部活行った方がいいよ。ごめんね、僕のせいで』

そう言ってAは玄関へと歩いて行った。

違う、違うっスよA

俺自身何から話せばいいかわかってないから黙っちゃっただけなんス。

「A、俺の話…聞いて？」

こうなったAは聞き分けが良くないから意地でも聞かせるためにAをドアと俺とで挟み込み逃げれなくした。

『……い、…やだぁ……涼くん放して…っ……放してってばぁ…！』

Aの耳元に顔を近づけ俺の声が届く様にと普段とは異なる低めの声で問いかける。

「ねぇ＿＿＿A？……Aは俺のこと嫌い？」

するとAは肩を震わせながら嗚咽を漏らした。

『…きらい、な、わけ、ない、じゃん…っ…好きだから、こんな、苦しいんじゃん……っ！』

俺も意地悪っスよね

Aの気持ちを知りながらこんな質問。

ほんと最低だよ