涼くん……［黄○］［男主］ (ページ40)

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あれ

開かない。

そんなのわかってる。
涼くんが開けないように扉を抑えているから。

『…手、放して…』

「嫌っス」

『……なん、でっ！
放してっ……！退いてよ涼くん……っ』

扉と涼くんに挟まれて身動きが取れない上に、吐息の混ざった低い声は脳を溶かして行く様で眩暈がした。
ほんとは嫌なのに、体は正直ってこの事らしい。
全然力入んない。

好きだって気づかなかったら、こんな辛い思いしなかったのかな。

『…い、やだ…放してよ…ぉ……』

「Aは、俺のこと嫌い？」

『…』

「ねぇ」

『……嫌い、じゃないから……こんなに辛いんじゃん。泣いてるんじゃん…っ』

…何この意地悪な質問。
僕が一度でも涼くんのこと嫌いって言った？
言ってないよね？

「じゃあ質問変えるね」

『…』

「俺のこと好き？」

『……いつも言ってるじゃん。好きだって。…なにっ？再確認して、なんなの…っ？』

「それは友達として？それとも…」

友達…以外に、

『っ……』

「俺に向けてくる好意って、ただの友達？幼馴染として？」

『そ、んなの…』

真剣に《好き》と向き合ってみると、それは意外と簡単に答えは出た。

『言いたくない』

もし言ってしまって、拒絶されたら嫌だから。
この思いはしまっておこうって、この気持ちに気づいた時に約束したんだ。

「俺はね……」

ぐるっと向きを変えさせられ涼くんと向かい合わせになり、股には膝が入れられまた身動きを封じられた。

顎に手を添えられると上にグイっと向けて近づいてくる涼くんの顔。

『…ぇ、りょ…んぅっ！？ふ……んん…っ』

何が起こったか分からない。

今、何してるの……？

『……んぅ……んっ…りょ、く…んまっ…て！』

涼くんの胸を叩くのに一向に離れてくれなくて、
胸を叩く手も壁に縫い付けられて、酸素欲しさに口を開けると容赦無く入ってくる涼くんの舌。
苦しくて僕の頬を涙が伝った。

『りょう、く、……んぅ、すとっ、すとっぷ…んむっ』

「……かぁわいい」

なんて言葉も酸素不足の頭では理解が追いつかず、されるがまま。
ガクガクと震える足は涼くんの膝が支えになり、先程の苦しさも快楽へと変わっていった。

『………ぷぁっ…はぁっ……はぁっ、はぁっ…はぁっ』

「Aとこんな事したいぐらいには好きっスよ」

『……え？』

酸素が一気に頭を巡り、言葉一つ一つを理解しようとした。

…あー、自惚れちゃいそう。