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「A〜、来週の土曜日空いてんべ?」
サークル終わりにストレッチをしてると帰り支度を済ませたのか、私服姿の凪が居た。
『何日だっけ』
「15日。全体練習そこにぶっ込もうと思って」
15日ってなんかあったっけ。
携帯を開いてスケジュールを確認した
『うん。だいじょ、……いや、ごめん無理』
「?、なんかあるん?」
『その日涼くんの引退試合観に行く約束してるんだよ
ね』
「うわマジかぁ……午前中だけだから出れたりしねぇ?」
『確かお昼過ぎから始まるって言ってたかも。午前中だけなら出れるけど、過ぎたりするのは勘弁かな』
涼くんとの約束が先だし。
「それは安心せぇ!てか急なのに合わしてもらっちまってすまねぇな」
『凪も組織まとめるの大変だね』
あれ
ていうか、凪って
『サークルで何か役職ついてるの?』
「ん?おお。俺副部長だべ」
え
『ごめん。会社でいう平社員かと思ってた』
1年生で副部長になんてなれるんだ。
凪の実力を知らないし、推薦入学とは聞いてたけど
……凪のちゃんと踊ってるとこも見たことないかも
踊ってるんだろうけど、僕が自分の練習にいっぱいいっぱいだから見てないだけの可能性も。
「え、俺そんな感じに見られてた?wwww」
『うん。でも、よく考えたら副部長っぽいことしてるなぁって思うよ。今もスケジュールの調整してたし、さっきも言ったけど組織まとめてたり。何より僕の面倒見てくれてるし』
「Aに関しては俺が引き摺り込んだからなww
面倒はちゃんと見るべ。無責任なことは絶対せん」
『…』
凪はたまに、スイッチが入ったような目をするから
涼くんと少し似た目を。
「ねぇ凪」
僕と凪の間に
媚びた甘い声が
響いた。
「どうしたんべ、亜恋(あこ)」
「一緒に帰ろ?」
久瀬さんがこちらをチラッと見てきたけど構わずストレッチを続けた。
「おん、ええよ。
んじゃAお疲れ!気ぃつけて帰れな!」
『うん、お疲れ様』
久瀬さんに平手打ちをされた以来変わったことは何も無いし、寧ろ平和っていうか
『変に意識しすぎたのかな』
それからは涼くんや青峰さんたちと普通に過ごした。
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蛍(プロフ) - 冬雪さん» ありがとうございます!お待ちいただけると幸いです! (2021年12月28日 0時) (レス) id: 2c4f147fea (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 続きが楽しみです。 (2021年12月27日 22時) (レス) @page34 id: 251399e8df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛍 | 作成日時:2020年10月15日 11時