涼くん……［黄○］［男主］ (ページ19)

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『無理』

「お願いだってA！！！もう約束しちまったんだよ！！！！文化祭までだ！頼む！！」

『無理なもんは無理。他当たって』

疲れること嫌いなんだってば。

そもそも、

『僕の許可無しに話進んでるところがすごく気に入らない』

「そ、れは……悪いと思うとる…
でも！！！Aにとってぜってー良い思い出になる。損はさせん！」

『良い思い出云々の前に僕未経験者。
本気でやってる人の中に中途半端が混ざったら失礼でしょ』

スポーツは体育で少し動くぐらいのやつしかやった事ないし。でも運動音痴ではないとは思う。

「そこは大丈夫だべ。毎日柔軟とか基礎トレとか頑張ってくれたら出来るようになるはずだ！」

はずって何。

『あぁ………ほんとに嫌だ……』

なんだろ、このズーンって沈む感じ。

「頼むべA！！！」

両脇を抱えられぷらんぷらん揺さぶられ、

『わかったわかった！！わかったから下ろして気持ち悪いっ！！！！』

って了承してしまった。

凪の顔が晴れていくのがわかる。

僕の気は沈んだままだけど。

「ありがとうA！！！！！マジ感謝や！！』

『あぁ～…………』

ほんとに嫌。

人前で踊るとか。

でも、もしかしたら、

涼くんに見てもらえて、褒めてもらえるかもって思うと沈んだ気持ちが少しは軽くなった。

『僕の物分かりが悪くても、上手く動かなくても、ちゃんと嫌がらず面倒見てね。それが条件』

「それは任せとけ。ちゃんと面倒見ちゃる！」

『はぁ………』

「どうしたんスか？帰ってきて早々ため息ばかり」

ちゃんと踊れる自信がついてから涼くんに話すって決めたから、まだ言わないでおく。

『んーん。なんでもない』

"「今日は話だけな！文化祭に向けて毎日放課後にやってるけど、来れない日は全然言ってくれて構わんから」"

"『服装はジャージ？』"

"「おん！でも動きやすければなんでもええよ」"

"『うん、わかった』"

"「土日もたまにあったりするけど、自分の予定優先で！」"

"『だから今日いるんだね』"

"「そそ。あ、やべもう行かなきゃだわ。じゃまた月曜日なー！」"

『はぁ……』

思い出すだけでもため息が漏れる。

「凪くんと何かあったんスか？」

『そう言うわけじゃないけど、なんか不安っていうか』

スポーツ大学でダンスサークル？って言ったらゴリゴリのやつだって見なくてもわかる。

中途半端が居ても足手纏いだろうなって。