涼くん……［黄○］［男主］ (ページ17)

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「………っていう風な感じで今回の雑誌の表紙は黄瀬くんがピン撮りだから好きにポーズよろしくね。自然体がいちば…聞いてる？」

「あ、はいっス。すいません」

「なんか今日ボーッとしてること多いけど大丈夫？」

だめだ、仕事に集中しなきゃいけないのに
しっかりしろ俺。

「モデルの仕事に勉学、バスケもしてるんだっけ？それに去年から就活してるそうじゃない。
明日、お休みあげるからリフレッシュしなさい。

だから今日は頑張りなさいね？」

「いやそれはさすがに、」

「いいのいいの。今日まで結構ハードなスケジュール組んじゃったし。お詫びよ」

そうだ
今は仕事中なんだ。

集中しなきゃ。

「ありがとうございますっス！」

「っあ"～！！！つっかれたー……」

集中はできたけどずっと頭の片隅にAが居た。

だって昨日Aは

泣いてたんだ。

風呂から上がってリビングに戻ると写真を手にしてたAが居て、なんかちょっと寂しそうに見えた。

原因を聞き出そうとしたけどなんでもないって言われて。

一緒にベッドに入って横になったらいつの間にか寝てた。

でも途中で目が覚めた。

Aのすすり泣く声で、目が覚めた。

「…A？」

『！…ごめ、なんでもない』

「何があったんスか？
俺に…話せないこと？」

その時は今が聞くチャンスだと思った。

『…いで…』

「え？」

『…僕のこと…もう、忘れたりしないで…っ』

潤んだ大きな瞳が俺を捉えてた。

「大丈夫っスよ。忘れたりしない。ずっとAを覚えてるっスから」

『…う……っ、…涼くん…』

「大丈夫っスよ。大丈夫」

忘れないで、か。

過去に、俺と会ってない間何があったかはまた聞くとして、今はとりあえず泣いているAを抱きしめ落ち着かせることが先と思った。