涼くん……［黄○］［男主］ (ページ16)

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涼くんに買って貰ったおにぎりとサンドウィッチを頬張った。

部屋の一角を見ると、本当にバスケが好きなんだなって思わされる雑誌と写真があった。

さっき会った人たちとの写真とか、誰かの誕生日パーティーの写真、"海常"と書かれたユニフォームを着ている写真。学生の半分をバスケに捧げてると言っても過言はないと思う。

一つのことに夢中になってる涼くんは凄くカッコいい。

『僕も、ここに居れたらなぁ…』

写真の一つを取り親指の腹で撫でる。

歳の差はどうあっても埋まらないし埋められない。
中学高校と涼くんと同じ学校に入っても涼くんは卒業しちゃう。

だから大学は同じ大学に入学すると決めた
1年間だけでも涼くんと居れるから。

「なーに見てんの？」

『！…涼くん』

「ん？」

お風呂から上がって来ただろう上半身裸の涼くん。

『卒業後はどうするの？』

もしまた遠いところへ行ってしまったら、とか嫌なことを考えてしまう。

「んー、まだ決めてないっスね。就職するのは確かだけど、どこに行くかとかは詳しくはって感じっス」

『東京出ちゃうの？』

「それも視野に入れてるっスかね～」

『そ、か』

やっと側に入れると思ったらまた離れていっちゃう。
わかってたことだけど、やっぱり辛い。

「A？」

『あ、ごめん。なんでもない』

いつの間にか上を着てた涼くんの袖を引いて涼くんを座らせてその隣に僕も座った。

『涼くんもご飯食べたら？』

「そっスね。いただきまぁす」

先のことなんて、考えても仕方ないんだ。

今を涼くんと過ごせたらそれでいいんだ、僕は。