涼くん……［黄○］［男主］ (ページ22)

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やべー、聞きそびれた。

今回の講義俺ばっかり当ててくるんスもん。
聞く暇なかったわ。

「黄瀬くん、この後はモデルのお仕事ですか？」

「あ、うん。そうっス」

最近は特に忙しい。

休日くれたのはあの1日だけ。

バスケ漬けの日々からモデル漬けの日々っスかw
俺就活あるんスけどw

「じゃあ俺行くっスね。おつかれっス」

「はい、お疲れ様です」

「ばいばいきーちゃん！」

あー、いつ聞こう…w

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『…』

「なぁにブスくれてんだよ」

『別に』

あんな態度取るつもりなかったのに、今日1日ずっと不安な気持ちが晴れない。

絶対涼くんに嫌われた。

『で？文化祭までで良いんだよね、ダンスサークル』

「ん？おん！それ以降は大会やらがたくさんあるから未経験のAはお荷物だべ！」

『うるさいそこまで聞いてない』

「文化祭は大会と違って見る側を楽しませる事が目的やから、Aも気楽にやってくれたらええよ。あ、着いたべ！ここで練習しとる！」

へぇ、体育館の2階でやってるんだ…

『あ、凪。約束事覚えてる？』

「おん！Aが下手でも文句言わん、やろ？」

『それもだけど、もう一つの方』

「あー…あ！うん、わかっとるべ！」

僕はダンスサークルに入ると同時に凪に2つの条件を設けた。

一つは下手でも文句言わないこと、もう一つは……

文化祭当日まで僕がダンスサークルに居ることは他言無用にしてもらうこと。

別に深い意味はないんだけど、当日は変装するし下手でも誰かわからないでしょっていう自己防衛のため。

「おつかれさまでーす！キャプテン連れてきましたよー例の子」

「おー、おつかれーい。早速連れて…ん？あ、そこのちっこいの？
んー……よし。着替えて入ってくれ。俺ここのキャプテンな。4年の蒼井海(あおいかい)って言うから好きに呼んでくれて構わんよ」

小さいって言葉はもう聞き飽きた。
散々言われてきたし、さほど気にしない。

『黒晶Aです。
不束者ですが宜しくお願いします蒼井さん』

「凪から聞いてるよ。ほんとすまないな、入るつもりだった奴が骨折しちまって穴が出来ちまったからよ。

ダンスの経験は？」

『未経験…です、けど？』

「へ？………おい凪、」

「すんません！親しい友達Aしか居なくって！」

「にしてもまるっきり話が違ぇだろーが！
経験少しあるって聞いたからおめぇに任したんだぞ」

あー……

『凪さいてー』