15 北人side ページ15
慎「…用事ってなんですか」
車に乗り込むと、慎に厳しい視線を向けられた
「だって、仕方ないじゃん……
大体さ、父さんも何考えてるんだって感じじゃない?
旅行とか行っても気まずいだけなのに」
あのまま別荘にいたって、
苦痛でしかない。
慎「北人さんの気持ちもわかりますよ
でもだからって、A様を傷つけていいってわけじゃないことくらい理解してますよね?」
「……ん、」
慎の言ってることは正しい
けどダメなんだ
「俺は、誰かを好きになっちゃいけないんだ」
……あの瞬間から、俺の中でのそういう気持ちは封印してきた。
許されないんだよ、人を好きになることなんて
慎「それなら そう、と 何故A様に言わないんですか」
「…泣いちゃうもん、あの子」
ここ数日間で、だいたいどういう人なのかは掴めた
慎や海青が言ってるとおり、純粋で素直で穢れを知らないような優しい子なんだろうな ってちゃんとわかってる
でも、だからこそ、おれはあの子に近ずいたらだめなんだと思う
慎「北人さんはA様のことを好きになってしまうのが怖いだけですよ
そんな風に逃げるだけなんて、男らしくないです!」
「でもさー、話すきっかけなんて、今更ないしー…」
慎「きっかけならA様がたくさんつくられてこられたでしょ!それに北人さんが応えなかっただけですよ」
慎ってば、おれに厳しすぎるんだもん
歳下のくせにさ
慎「とにかく、ちゃんとお話になってくださいね」
「わかったよ
でも今日だけはお願い」
慎「はぁー、…今日だけですからね」
渋々、やっと車をだしてくれた
行先は決まってる
この街は“あの人”の故郷だから
しばらく走っていると、行きなれた静かな場所についた
「久しぶり、だね」
慎「…………」
彼女に話しかけても
当然、返ってくる言葉はないけど
………愛する人が眠る場所
487人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほくぶー(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年1月8日 17時) (レス) id: c26ab928bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蛍流 | 作成日時:2020年1月4日 19時