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旅行か…、
これで少しでも距離が縮まったりすると嬉しいけど。
目的地はそんなに遠い所でもないらしく、今は慎くんが運転している車に揺られている
横をチラッと見ても、北人さんは窓の外をずっと見てるから私たちの会話はゼロ
海青くんがいてくれたらいいのに、慎くんの横に座ってるし
運転席と後部座席は仕切りで区切られてるから話せないし
『この辺りはよく来られるんですか?』
北「小さい時に 何回かね、」
沈黙に耐えられず自分から話しかけたけど、
すぐに会話終了。
昨日は少しだけウキウキ気分だったけど
もう今はそんなこと感じられない……
早く帰りたい。
って思うけど、あのお屋敷に帰ったところで
どうせ私は1人なんだ
そんな事を考えるのが嫌になって、窓の外の景色をみていると、あっという間に目的地についたみたい
海「着きましたよ〜」
『わぁ……』
車から降りると、目の前には色鮮やかで綺麗なお花がたくさん咲いているお庭があった
『ここ、お家?』
少し進むと、木造のデザインが素敵な
隠れ家みたいな建物がひっそりと佇んでいる
北「別荘…みたいなものかな」
別荘、、さすが吉野財閥。
でも、こんな素敵な別荘なのに、あんまり使わないなんてもったいないな
海「さっ、入りましょ」
『そうだね』
玄関をあけると、やっぱりそこは素敵な空間で
派手すぎない、シンプルな造りでとても居心地が良い
北「俺は少し用事があるから、出てるね」
『……え、』
北人さんは、そう告げると、また 慎くんが運転する車に乗り込んでいった
……あんまりじゃない?
用事ってなんなの、
これじゃあいくら頑張ったって、距離なんて縮まらない
海「ごめん、Aさん」
『なんで海青くんが謝るの、』
自分のことみたいに悲しい顔してる
海「…折角ですから、北人さんが戻って来られるまで この別荘を満喫しちゃいましょ」
『案内、してくれる?』
海「もちろんっすよ!」
元気づけようとしてくれてるんだ、海青くんは。
その後は海青くんが言ってくれたとおり、別荘を見て回ったけど、……広い。
図書館とかプールとかあるし、本家に負けないくらい
の大豪邸だった
こんな所に住めたら、何も文句ないな〜
なんて、優雅な気持ちでいたけど
結局、その日北人さんが帰ってくることはなかった
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ほくぶー(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2020年1月8日 17時) (レス) id: c26ab928bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛍流 | 作成日時:2020年1月4日 19時