第五十一話 ページ10
兄ちゃんの病名が労咳だと知ってからも兄ちゃんはいつも通りだった。
うちにとってそれが最も不安な事だった。
土「――A。A!」
貴「え? トシさん……?」
いつの間にか目の前にトシさんがいた。
土「どうしたんだ? ボーッとしてたぞ」
貴「大丈夫だよ」
笑うとトシさんは眉をひそめた。
土「なぁ、A。最近……総司の容態が悪化してないか?」
そう言われ、ギクッとした。
トシさんたちは労咳のことを知らない。
貴「え? そうかな……。兄ちゃん元気だよ……」
土「お前、隠し事下手だな」
ため息をついてそう言われた。
うちが兄ちゃんのためにできる事……。
顔の前で手を合わせる。
貴「お願い! 兄ちゃんの好きなようにさせてあげて」
トシさんや勇さんの説得だけだ。
土「どうして……。お前はそれでいいのか?」
貴「……嫌だけど……兄ちゃんがそうしたいなら……」
土「そうか……」
難しい顔をするトシさんに笑顔で言う。
貴「大丈夫。ミツ姉ちゃんにはうちから言っとくから」
土「悪いな」
トシさんも勇さんも姉ちゃんがあまり得意じゃないらしい。
だからうちにできる事は全部やる。
それが、兄ちゃんの……皆の為になるなら……うちは何だってやるつもりだ。
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とり(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください( ´ ▽ ` ) (2015年2月24日 14時) (レス) id: bd0ffbf036 (このIDを非表示/違反報告)
メガネヒーロー(プロフ) - 続きが楽しみです! 感動します・・・! (2015年2月15日 20時) (レス) id: f6fbbca749 (このIDを非表示/違反報告)
それぞれ(プロフ) - 魅璃亞さん» 返信遅れてごめんなさい。小説の方で話に区切りがついたら載せさせてもらおうと思います。とっても上手でした。ありがとうございます(*´∀`*) (2015年2月14日 17時) (レス) id: 70fb5bc06b (このIDを非表示/違反報告)
マーマレード砂丘(プロフ) - ドキドキの展開ですね!☆続き楽しみにしてます!☆ (2015年2月11日 18時) (レス) id: a4a7a72e75 (このIDを非表示/違反報告)
土ペンギン(プロフ) - 頑張れ〜! (2015年2月10日 21時) (携帯から) (レス) id: 5a14887082 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:それぞれ x他1人 | 作成日時:2015年2月1日 10時