【薄桜鬼】 妹さんはお手伝いさん 第二章

番外編〜日常〜　山南敬助 ページ49

山南side







用があって街に出かけた時、可愛らしい手鞠を見つけた。

そう言えばAはこういう物で遊んだことがないと言っていた。

歳に合わないけど買ってあげたら喜ぶでしょう。

そう思い、薄い桃色を主とした手鞠を１つ買った。



山「A、これを貴女に――」

帰ってから、早速Aに渡す。

貴「これ……手鞠？」

山「はい。このような遊びはした事がないのでしょう？ 少々歳に無理がありますが……」

貴「ううん。すごく嬉しい！ 綺麗な色だね」

本当に嬉しそうに笑うAを見て、胸をなでおろす。







その日の夜も、私は部屋で羅刹の研究を続けていた。

Aもまだ起きているらしく、廊下から時折物音が聞こえてくる。

廊下を歩く足音が聞こえてきたと思うと、その足音は私の部屋の前で止まった。

貴「敬ちゃん……いい？」

山「どうぞ」

その声に応えると、障子が静かに開いた。

貴「お茶持ってきたの……。敬ちゃん、最近あんまり寝てないでしょ？」

山「これくらい大丈夫ですよ」

貴「それならいいけど……。あんまり無茶、しないでね」

山「はい、分かりました。おやすみなさい」

貴「おやすみ」

一番疲れていると思われるAに心配されるとは……。

なるべく疲れた表情は出さない様にしていたのですが……。

やはりAには隠し事ができませんね。

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