【薄桜鬼】 妹さんはお手伝いさん 第二章

第七十九話 ページ39

菊「皆はん、お晩どすえ。旦さんたちのお相手致します君菊どす」

いつ見てもお菊さんは綺麗だなぁ。

総「A」

１人で君菊さんに見とれていたら兄ちゃんに呼ばれた。

貴「どうかしたの？」

総「近藤さんが酔っちゃって……。僕、お酒飲めないからさ……」

勇さんはお酒にとても弱い。

うちも兄ちゃんも弱いから飲めない。

貴「え、うちも飲めないよ……」

総「どうするの？ 近藤さんの意向を無にするわけにはいかないし……」

貴「と、トシさんに飲ませよう。ほら、トシさん酔うと面白いし」

総「そうだね。それがいい」





なんやかんやで、みんな楽しそうでよかった。

平「それで左之さん。なんで逃げられたんだ？ 包囲網張ったんだろ？」

新「しかも一度捕まえた奴も逃がしたって聞いたんだが」

左「まぁ……な」

それはうちも気になった。

総「Aも気になる？」

貴「うん」

総「じゃあ問題。包囲網まで張った上、一度捕まえた奴もいる。なのに逃げられた。なんでだ？」

貴「……誰かが……逃がした……？」

総「そういう事。ま、その誰かが分からないんだけど。どうなんですか、左之さん」

皆が左之さんを見ると、少し眉をひそめた。

左「総司の言う通りだ。一度捕まえた奴は第三者によって逃がされた」

一「その第三者とは……？」

左「なぁ、千鶴。お前あの日、どこにも行ってないよな？」

鶴「は、はい」

左「実はな……。その第三者が千鶴そっくりだったんだ……」

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