鬼の血脈 (ページ46)

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参拾捌話　手ページ46

「ずっと一緒にいよう」

優しくて優しくて、その手は触れることすら許されない。そう思っていた。
その手は俺に差しのべられていた。吸血鬼としての紅血鬼薔薇ではなく、ただの人としての紅鬼院水無に。

「なんで…不幸になるって…!」

「だから、どうした。お前がいれば不幸なんて感じねぇよ」
「水無、先祖返りは同じ人生を歩むことが多いのは事実だ。だが、運命は変えられる。全ては貴様次第だ」
「紅鬼院、僕はただでさえ友達が少ない。これ以上いなくなってもらっては困る///」
「妖館で紅鬼院様のお帰りを皆様待っておられます。心配しておいでですよ」
「あとはお前が掴むだけなんだよ。お前が幸せじゃねぇのに俺らが幸せになれるわけねぇだろ？」

手を掴む。ただそれだけの事なのに、こんなにも怖い。今まで逃げてきたから、戻るに戻れない。

でも

「帰ろうぜ！妖館に!!」

君はさ迷っていた俺の手を掴んでくれたんだ。

「うんっ!!」

帰ろう。みんなのいる妖館に