第7話 ミーハー ページ7
「じゃあ…私はこれで…。」
帰り支度を済ませた私は流川君に向かってそう言った。
しかしその時、せっかくだから一緒に帰ってみようかなという考えがふと頭をよぎった。
流川君とは今まであまり話したことないし、話せる機会なんてそうそう無いし、これからのためにも部員とはある程度仲良くなっておきたい。
そう思った私はなけなしの勇気を振り絞って彼を誘うことにした。
「流川君も一緒に帰る？」
「いや、俺はもう少し練習して帰ります。」
が、見事に玉砕した。
まだこれから自主練って…本当に熱心だなあ…。
「そっか。じゃあ頑張ってね。」
「…うす。」
「あ、メモ帳のことは誰にも言わないでね。」
私は思い出したかのように付け足した。
彼ならベラベラ人の事情を話すような子じゃなさそうだけど、念のため。
流川君は切長の目を少し細めて口を開いた。
「…そんなの話のネタにもならないんで安心してください。」
「…。」
なんか、ムカつく言い方だけれども、他言しないでいてくれるのならまあいいか。
今度こそ手を振って流川君と別れた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ねえ、彩子。」
「なに？」
「流川君ってどんな人なの？」
「えっ…。」
次の日の休み時間、なんとなく流川君のことが気になった私は、彼がどんな人なのかを彩子に聞いてみることにした。
というのも、彼女は流川君と同じ中学だったと聞いていたからだ。
急に意外な質問を投げられて驚きつつも、彩子は真剣に答えてくれた。
「うーん、そうねぇ…。無口で表情もあまり動かない子だけど、バスケに対する想いは誰よりも熱くて、後輩からの支持も厚かったハズよ。確か。」
「へぇ…。」
無口でちょっと意地悪っぽいのに、後輩に慕われてたんだ…！
彼は実に謎だ。
「なに、まさかアンタも流川に惚れたの？」
「はっ…！えっ…！そんなわけ…！」
彩子が急に突拍子もないことを言い出すから、焦って少し言葉に詰まってしまった。
これじゃあますます怪しくなってしまう。
惚れたもなにも、私の好きな人はあなたにぞっこんな宮城君ですよ…！
なんて言えるはずもなく。
アンタもミーハーねえ…と、ため息をつく彩子に向かって、ハハハっと曖昧な苦笑いを返した。
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わた丸(プロフ) - メガネさん» そう言って頂けて大変嬉しいです。不定期で申し訳ありませんが、完結まで更新頑張ります！ (2023年2月27日 16時) (
レス) id: 889abdf4ce (このIDを非表示/違反報告)
メガネ - 夢中になって読みました。ありがとうございます。続きが気になりすぎる (2023年2月27日 1時) (レス) @page30 id: 434307a1aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わた丸 | 作成日時：2023年2月5日 14時
