歌声はその時の気分で変わる ページ10
車の扉に開けようとするとゾムは運転席ではなく後部座席の扉を開けた。
頭に？を浮かべつつ、僕は助手席に扉を開ける。
すると運転席は空っぽではなくグルッペンが居た。
「グルッペン!?」
「何だ？人の顔を見てなぜそんなに驚くんだ？」
「グルッペンも行くの？」と聞くと「Aがいじめっ子と立ち向かうとゾムが言っていたからな。俺が行っては不満か？」と言われ、僕は首を横に振る。
「驚いただけだよ」と僕は助手席に座り、扉を閉める。
「二人共準備はいいか？では行くゾ」
懐かしい。昔グルッペンが拾ってくれた川原だ。
僕はあの時歌っていた東京テディベアが頭の中で流れ、歌う。
「〜♪」
「その曲・・・」
「覚えてるかな？グルッペンが僕と出会った時に初めて聴いた曲だよ」
「ああ、覚えてるゾ。懐かしいな」
歌声はその時の気分で変わる。
あの時は普段動画で見るよりゆっくりと、息より声を大きく、特にAメロとｃメロ以外は叫ぶようなウィスパーボイスで歌っていた。
この世を去る事を嫌だとは思わなかった僕は最後に少しでも普通の人間に近付こうと、この世を去りたくないという気持ちを演じて歌った。
悲しいなんて思わなかったから作られた悲しい声で歌った。
今は一点に集中するように、迷いのない声で歌う。
「歌詞とは雰囲気が違って力強い歌声やな」
走行中の車にも関わらず、ゾムは中腰になって助手席と運転席の間に顔を出してそう言った。
「危ないよ」と注意するが「大丈夫やって」とゾムはそのままの姿勢だ。
「こけても知らないからね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水月 - はくやさん» 有り難うございます。脱衣所で遭遇とか書いてみたいなと思って書きました。いつか番外編の方でお風呂で遭遇してそのまま・・・というのを書いてみたいと思ってます。 (2021年8月26日 6時) (
レス) id: 81f86e4e23 (このIDを非表示/違反報告)
はくや - びゃっ！(?)激甘好きです。ピンクぅ……!!煽り上手な御二方から夢主ちゃん服脱がされたりして責められてんのめっちゃよかったです。shaちゃん1人の時も、ずっと夢主ちゃん攻めて寝かせないん好きです……！やっぱ水月さんが書くピンクシーン最高です！好きです！ (2021年8月25日 23時) (レス) id: b44a4212c3 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - はくやさん» 有り難うございます。悪魔なら牙があるし噛み付くのは外せないなと思って書きました。それと魔界のrbはこの作品の本家rbより女性に慣れてなさそうだったのでそうしました。検索避けを忘れていた事に気付き、書き直させてもらいました。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 81f86e4e23 (このIDを非表示/違反報告)
はくや - 悪魔と夢主ちゃんの激甘……すごくいいです…………。キス言われた時の、rbrさんの顔赤くなる反応、やっぱDTだなって思いました)) その後も、なんか！お仕置感あってめっちゃよかったです！ (2021年8月22日 18時) (レス) id: b44a4212c3 (このIDを非表示/違反報告)
水月 - はくやさん» 有り難うございます。僕は「これは正義のヒーローの言葉ではない。お前を恨む、復讐者になろうとしている者の言葉だ」が一番好きです。他のものを読んでるとリーダーにばかり意識が向いてたり全員平等に扱われたりするので陰に隠れるいじめっ子に意識を向けてみました。 (2021年8月18日 17時) (レス) id: c40aa2e17c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水月
作成日時：2021年8月14日 10時
