ねぇ、僕にしなよ【 時透無一郎 】

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身長は僕の方が高いから、僕が兄でも良かったかなって感じはするけど。
そこは顔の差。
Aの顔立ちが大人びてるから、どう頑張っても年下には見えなかった。





それに対して僕の顔は幼い。
僕も16になったら大人になれるのかな。





「 お嬢ちゃん、お嬢ちゃん 」



『なんです……っ！』



「 こんな遅い時間に出歩いてどうしたんだい？ 」



『見ての通り、お祭りを楽しんでいただけですが』





こいつは鬼だ。
人間の容姿をしている。
僕たちが狙ってた奴だ。





「 そうかいそうかい、そこの坊ちゃんは？お姉ちゃんと一緒なの？ 」



「…そうだけど。何の用？」



「 随分と口が悪い子だねぇ。躾がなっていなんじゃないかい？ 」



『弟を悪く言わないでください。』



「 キミの弟が悪いんだよ。キミたちもやってしまおう… 」





どうやら僕の言葉が癪に触ったらしい。
短気すぎるでしょ。
今から変形するのかな。





『露の呼吸 壱ノ型 凍露斬り』



「 なっ！お前鬼狩りか！首は斬らせねえぞ！ 」





Aの攻撃は鬼の片腕を斬り落としたがすぐに回復。
変形して異形の鬼になった。
触手が出てて気持ち悪い…





触手が予測できないように動いてて。
僕は触手に気を取られて、甚兵衛を少し切り裂かれた。





『無一郎！』



「霞の呼吸 弐ノ型 八重霞」



「 なっ…！ 」





触手を抑えることができた。
でも本体が遠ざかった。





『露の呼吸 捌ノ型 水地近露(すいちちかつゆ)』





Aは刀を横に構えたまま一気に鬼との間合いを詰めて斬りかかった。
ちなみに今の技ね、Aが僕の垂天遠霞の真似をして自分で作ってたんだ。
それを聞いたとき、可愛くて嬉しくて泣いたよね。
僕の技の名前を、そのまま対象にしたから名前のセンスないところも可愛い。





「霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り」



「 うあぁ〜〜！！ 」





鬼がAに気を取られている間に首を斬った。
これで一件落着。





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