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教えてもらったことを一つ一つ試したかったのに、一気にだいぶ使い切った。
思わせぶりな発言と好意を伝えるに関しては恥ずかしくてできない。
そんな今日は合同任務。
髪を結って、この前僕があげた簪をつけてくれてた。
僕のものって見せつけてる感じがして嬉しかった。
「最近、ここら辺で兄弟を狙った鬼が出ているらしい」
『兄と弟に限らず?』
「うん、姉妹もだし、兄と妹も、姉と弟も」
『…と言いますと』
「…多分Aが考えてることで合ってると思う」
Aが姉、僕が弟を装うということ。
弟か…
実際僕の方が年下だから仕方ないけど。
今日は祭りが行われる。
そんな人が大勢いるところで鬼が出てしまったら、守りきれない。
早いうちに斬らないと。
動きやすい浴衣と甚兵衛をそれぞれ借りて、刀はあたかも屋台で当たった景品のように見せて。
ちょっと無理があるけど。
幸い、今日は日が落ちるのが遅かったから子供は少ない。
「…ねぇねぇ、お姉ちゃん」
『ん?』
「飴細工食べたい」
『別にいいけど…』
「なに?」
『棒読みすぎるよ、逆に面白い』
「…仕方ないじゃん」
『拗ねちゃった?ごめんね、飴細工一緒に食べようね』
「うん」
弟役難しい。
Aに指摘されたし。
でも、はぐれないように、という口実でずっと手を繋いでる。
幸せ。
『すみません、これ2つ貰えますか?』
「 あいよー…お嬢ちゃん、これ買ったら弟を連れて早く帰れよ 」
『どうして?』
「 最近この辺りで兄弟 姉妹を狙う人攫いが起きてんだ 」
『それ、詳しく教えて頂けませんか。』
事情聴取するの早すぎてびっくり。
教えてくれないと思ったけど、腰の刀を見ておじさん察してくれた。
「 ふとついさっきまでいた子達がいなくなるんだ 」
「 なんの形跡もなく 」
「 それを見た奴の話によると、人間の容姿から突然大きく体が変形するらしい 」
『…そうですか、ありがとうございます』
「 ああ、お嬢ちゃん、ぼっちゃん、くれぐれも気をつけてな 」
『はい、ありがとうございます』
「はい」
買った飴細工を受け取り口に入れた。
話しているときも、飴を食べるときも、Aはずっと僕の手を握っていた。
一度離したらどうなるかなって試したけど離れなかった。
ほんと、こういうとこだよね。
Aは狡い。
僕はAに更に惚れていく一方だ。
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アマリス(プロフ) - 最後まで読みました。最後の恋仲の男女…。どうせ無一郎なんでしょ?タイトルの僕にしなよって…。他の女と結ばれたくせにどの面下げて言ってんだよ!!って思いました。夢主と無一郎…もう終わりですね。 (6月10日 15時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
干し椎茸*(プロフ) - さくらさん» コメントありがとございます!とても嬉しいです!熱量とウサギさんで笑ってしまいました笑 進化できるよう励みますので今後ともよろしくお願い致します! (5月19日 0時) (レス) id: 76ff424c22 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 作者様!!めっっちゃくちゃ話の続きみたいです!(単刀直入ですみません!)更新速度、亀から進化してウサギになってくださいね!(?)待ってます!!!!!!!!ずっと推します!マジデ (5月12日 21時) (レス) @page27 id: b75e9c1e96 (このIDを非表示/違反報告)
k - 更新されること、待ってます! (2023年5月4日 21時) (レス) @page26 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - また更新されるのを楽しみにしてます (2022年4月21日 16時) (レス) @page24 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:干し椎茸* | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hosisiitak1/
作成日時:2020年11月26日 14時