ねぇ、僕にしなよ【 時透無一郎 】

16＿ ページ16

.＿小芭内side＿





甘露寺と甘味処に来ていた。
如月の恋仲を偵察するために。
入るとそいつらは既に中にいて、2人で和菓子を堪能していた。
俺らは近くの席に座り、それぞれ注文した。





「ここの桜餅とても美味しいわ！」と頬張る甘露寺。
数少ない非番の被りを、自己のために使えないのは少し腹立たしいのだが。
一緒にいられるだけまだいい。





「伊黒さん、あの方よ」



「ああ」





俺たちからは少し離れた席に座る2人。
傍から見れば完全に恋仲に見える。
やはりそうなのだろうか。





2人の注文したものが届き、食べ始めるかと思えば、いちゃいちゃし始めた。
男が女にあーんとか言って口を開けさせている。
全く何を見せつけられているのかね俺は。
その後も2人は周りの目を気にせず食べていた。





本当に如月めの恋仲なのか。
少し離れた甘味処とは言え、鬼殺隊士も寄る。
それをわかっていないのか。
それとも如月にさえ見つからなければ大丈夫だと思っているのか。
全く、如月も見る目が無いもんだな。





「伊黒さん行きましょっ」



「ああ」





甘味処を出た2人の後をつけた。
女の家らしきところで止まり、見せつけられるような接吻。





「なっ…」



「きゃ〜っ…！」





堂々としているではないか。
もはや如月が浮気されている側なのではないか、と疑うほど。
女は家に入り、男は帰路に就いていた。





「おいお前」



「 へ、蛇柱様と恋柱様…？！ 」



「お前、さっきの奴は何だ。お前は如月の恋仲ではないのか。」









「 如月…あっ、Aは恋仲じゃないですけど？ 」









「…は？」





.

17＿→←15＿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す