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春 11 ページ12

『萌黄さん…囲まれてしまいましたね』

「…武器は?」


『熊手と角手です』


「一個貸して」

『ん』

私は殺傷力の高い毒を塗り込んだ熊手を萌黄さんに投げた。



『シュッ【毒付き】』

「はいよ」


『始め』


私の一言で、萌黄さんと私は両方向へ飛び込んだ。


『失礼仕る!!』


どんどん怯んでいく相手。角手では、骨を砕くことしかできない。

だから、殺めることは無理なのだ。


対し、熊手には毒が塗り込んであるから、殺傷力が高い。


私は後ろへの意識を緩めていたのか、後ろから鈍器で殴られたような感じがし、私は意識を一瞬で手放した。


「Aッ!!」


萌黄さんの叫び声を聴きながら。








暫くして、私は目を覚ました。

殺されて無かったのですね…私はとても運が良い…


周りを見渡すと、奥に倒れている萌黄さん。


萌黄さんに駆け寄ると、萌黄さんは冷たくなっていた。


『も、もえ、萌黄さんっ!!

起きてください!!


だめですよ!!起きてください!!

一緒に帰ると約束をしたではありませんか!!



萌黄さん___!!

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作者名:星波きらら | 作成日時:2020年10月8日 23時

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