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「菅田さん、一ノ瀬さんについての証言をお願いします!」
何度も答えた言葉を思い出す。
深堀りされても面倒だから、当たり障りのない言葉を。
「そうですね、同期で仲良くさせて貰っていたので、あの事故は酷く悲しい事でした。
まだまだ一緒に仕事をしたかったなぁ、と常々思っています」
それだけを答えて、マスコミが満足そうな顔をしたのを確認したら、そそくさとその場を通り過ぎる。
そうやって暮らしてきた。
1年前も同じように取材を受けた。
それだけでわかった。
マスコミは、翠の事故で視聴率を稼ごうとしている。
翠を悪用しているに過ぎないのだ。
だから、今年の特集番組への出演は断った。
代わりにオファーされたらしい人の名前が番組表に出ている。
「……」
俺は、翠に本気で会いたい。
何処で何をしていたっていい。
無事ならばそれでいい。
彼氏がいたって、子供がいたっていい。
幸せだと感じて生きているなら、俺はそれでいいから。
会って、謝って、またあの頃みたいにどうでもいい事ばっかり話して笑い合いたい。
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作者名:hoshina
作成日時:2019年10月7日 19時