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澪奈の方が ページ26
居心地の悪い放課後が続いた。
どちらも何も喋らなくなったから。
お互いに早く家に帰って、ベッドにダイブして現実逃避したかったのかもしれない。
「…………澪奈、また明日ね」
いつもの分かれ道で、最低限の挨拶をする。
澪奈も小さく手を振って「また明日」と言ってくれた。
今までは、仲良く笑いながら帰っていたのに。
泣きそうになって、早足で家に帰った。
親への挨拶もそこそこに、部屋にこもって枕に顔を押し付けて泣いた。
もう嫌だ。
もう、学校になんて行きたくない。
……でも、澪奈の方がそう思っているハズだ。
この頃の私にとって、この言葉は呪文だった。
『澪奈の方が辛いだろうから』。
その呪文が、私の動きが止まってしまったギアを無理やり動かすのだ。
だから、家に帰るとまた止まってしまって泣いてしまう。
こんな生活、もうやめたかった。
辛い気持ちになるのも、苦しむ澪奈を見るのも、悲しそうなさくらを見るのも。
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作者名：☆友梨ぃ☆
作成日時：2019年1月26日 22時
