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文学少女は絵が下手 ページ9

「ふはっ」

美術の授業中、彼が吹き出したのには悔しいが理由がある。

少女は、文を書くのは好きであったが絵を描くことが苦手で、その才能は壊滅的であった。

ここまで説明すれば何となく分かって欲しい。

本当に辛いのだが、その壊滅的な絵を見て彼は吹き出したのだ。

先生が笑うとは何事だ。

しかし、少女は既にわかりきっていたので「やっぱりか」と肩を落とすだけだった。

「酒井、絵は下手だな」

「そんなキッパリ言います?!」

人見知りだった少女は、彼と澪奈の前では自然と話せるようになっていた。

「でもな、人は1つくらい欠点があった方がいいんだよ」

そう言いながらも彼はまだ笑う。

「あー、影の付け方が惜しいな。
今のこの状態だとただの平面図だ。
右から光が入ってるとしたら…」

笑いはしたが、彼も立派な先生である。

すぐに切り替えてアドバイスをした。

影の付け方については、少女から鉛筆を借りてお手本を見せてくれた。

ほんの少し手直ししてもらっただけだが、少女の絵は見違えるように変わった。

彼の言葉を借りるなら、ただの平面図が立体図に見えるようになった。

「おおー、先生凄いです」

「あとは頑張れ」

彼は少女のスケッチブックをサラリと撫でてから別の生徒の元に向かっていった。

少女は鉛筆を握り直し、「まあまあ良くなったんじゃない?」なんて言われる事を夢見て、再び作業に没頭した。

文学少女と逢沢君→←彼は文学少女に聞かせる



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設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 景山澪奈
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らお - 綺麗な作品ですね。これからも更新頑張ってください。楽しみに待っております! (2019年5月6日 1時) (レス) id: 98f96d60d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆友梨ぃ☆
作成日時:2019年4月25日 20時

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