検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:64,492 hit

文学少女の話 ページ12

少女の書く話がようやく完成した。

女の子が自 殺をもってして世の中の異常さを訴える話。

次の日の朝、少女は書き上げた紙の束を持ち、駆け足で学校に向かった。

一刻も早く読んで欲しかった。

彼に、澪奈に。

凄いねと褒めて欲しかった。

純粋な感想が聞きたかった。

少女は普段全く走らない校舎の廊下を全速力で走った。

武智先生が何か言っていたような気がするが、少女の耳に入ってくる事は無かった。

少女は満面の笑みで美術室のドアを勢いよく開ける。

その音にビックリしたのか、彼が慌てたように美術準備室から出てきた。

「どうしたんだ?そんなに嬉しそうにして」

「書けたんです!!」

訝しむように少女を見ていた彼の目が変わる。

自分の事のように喜んでくれた。

「1番に読んで欲しくて!」

「景山じゃなくて良かったのか?」

「2人に1番に読んで欲しいんです!
二人分印刷してきました!」

印刷する量が多すぎて、昨夜は家の印刷機を働かせに働かせた。

仕舞いには「もう働きたくない」とでも言うかのように動かなくなってしまい、深夜のコンビニに駆け込んで1枚1枚印刷したものだ。

印刷機の件は今日、家に帰ったら両親に怒られるだろう。

そう考えると少女の心は沈んでいくが、完成した作品が少女の心を支えていた。

「わかった。なるべく早く読むな」

「ありがとうございます!」

さぁ、澪奈の元に行かなくては。

少女は普段しないスキップをして廊下を進んだ。

今思い返せば、明らかに変な人だ。

文学少女の作品の価値→←文学少女は絵に生きる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
67人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 景山澪奈
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

らお - 綺麗な作品ですね。これからも更新頑張ってください。楽しみに待っております! (2019年5月6日 1時) (レス) id: 98f96d60d6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:☆友梨ぃ☆
作成日時:2019年4月25日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。