7話 ページ7
悪阻でご飯が食べられない。
お母さんはそんな私を心配して、自分の時には食べられたという果物を切って食べさせてくれた。
果物なら食べられる。
後は、葉酸を摂るようにした。
そんな日々。
今日も先生の元を訪ねるために病院に来ていた。
ロビーで、見知った後ろ姿を見た。
「………あれ、隼人?」
声を掛けると、隼人は振り向いた。
「久しぶり。先生のお見舞い?」
「久しぶり。……まぁ、そんなところ。……お前は?」
「私も一緒だよ」
ロビーから先生の病室まで、思い出話をしながら歩いた。
話題に上がるのは、やっぱりあの10日間の事。
そして、それぞれの進路。
隼人は介護福祉士になる為に勉強をしているようだ。
「朱莉は?」
「私は……」
保育士の勉強は、少しずつ無理せずにやっている。
でも、悪阻の方が酷くて、こうして先生のお見舞いに来る以外はほとんど何もしていない。
「……家手伝いながら、保育士になる為の勉強してる」
「……そっか」
「うん。……みんな、元気してるかな」
「なんだよ。数日に1回はグループライン、盛り上がるじゃん」
「そうだね」
「お前、全然発言しないじゃん」
「私、そういうキャラじゃないもん」
「そうか?」
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rina - hoshinaさんこれからも頑張れ! (2022年12月7日 23時) (レス) @page37 id: 265817b150 (このIDを非表示/違反報告)
rina - 小説とても感動した (2022年12月7日 23時) (レス) @page37 id: 265817b150 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - とても読み入って、泣きそうになりました!!とても面白かったです!感動しました! (2020年1月26日 13時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
hoshina(プロフ) - akiraikaさん» ありがとうございます!!そう言って頂けて、ホントに嬉しいです!!これからも頑張ります!! (2019年6月12日 12時) (レス) id: 8ee6c3887f (このIDを非表示/違反報告)
akiraika(プロフ) - とても素晴らしかったです。一行読む度に涙が出てなかなか読み進められない。本当に素敵なお話でした。これからも頑張ってください。 (2019年6月12日 11時) (レス) id: f2ff021446 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hoshina
作成日時:2019年3月15日 12時