地球最後の刃を (ページ20)

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次の日、薄々わかっていた事が的中してしまう。

神谷君の発狂だ。

授業はしないが、出席だけはとるため、

どうしても部屋に籠らせて置くわけにはいかなかった。

ここで教室に来なかったら、福山君が部屋に来る可能性もあったから。

どうか発狂だけはしないでくれと神頼みをする気分で教室に入った。

神谷君は、空いた席を見て狂ったように泣き出してしまった。

福山君が、マガイモノ、と言い出しそうになった時

神谷君が叫んだ

「桐山君、逃げろ！！

コイツからっ、この世界からっ！！

こんな世界に閉じ込められて、幸せなんて来るわけない！！」

僕は足が竦んで走れなかった。

動くことすら…。

「何してるんだよ…」

「できないよ…僕には。

ここにいる皆を置いて、僕だけが逃げるなんてっ！！

殺されそうな神谷君を置いて、僕だけが逃げるなんて出来るわけない！！」

神谷君は、力なく呟いた

「信じてよ…親友だろ？」

その言葉を聞いた瞬間、

さっき動かなかった事が嘘のように僕の足は動いていた。

逃げる所なんてない。

なら、神谷君と過ごしたあの部屋の鍵をかけて閉じこもろう。

その後どうするかなんて考えてもいない。

けれど、神谷君の屍なんか見たくない。

いつか、この世界から出るには

神谷君も、日野君、鈴村君、森久保君。

僕が来るより前に来て死んでいった人の屍を

踏み越えなきゃいけないことは、僕もわかっていた