最終話. ページ26
森然まではそこそこ遠くてみんなは夢の中。
さっきまで騒がしかったバスの中も今はすっかり静かだ。
「…ねえ、Aちゃん。
頭のいいAちゃんならさっきの木兎の言ったことわかってるよね?」
「着いてこい、って言われただけ。
秋紀の言いたいことは言われてない。」
「わかってんじゃん!」
「何が。」
「え?」
「私は4年ワガママに付き合えって言われただけ。
ちゃんと言ってもらわなきゃ分かんない。」
「悪魔だ…!小悪魔だ!」なんて言ってるくせにものすごい笑顔を浮かべる秋紀。
「まあそっちの方がいいのかもな。俺らも気、つかんなくてすむし。」
「…大学まで一緒、って言っちゃったけどなあ。
やりたいこと出来なくなるな。」
「いいじゃん、きっとそのうちAも木兎と同じところ見るようになるんだから。
今も俺らと同じところもう1回見れんだぞ?」
「それもそうだ。」
またゆっくり考えればいいや、なんて思いながら肩に頭を乗せて爆睡のワガママ末っ子を見た。
「4年先まで予約された気分はどうですか。」
「とりあえず、4年先とかいらないからみんなと合宿中全勝約束してほしい。」
「わかりましたよ。」
「…とりあえず、さあ。」
「ん?」
「制服にジャージは暑い。」
「森然に着くまで我慢だな。
木兎も必死なんだよ、ちょっと我慢してやれって。」
強引に光太郎の部活ジャージを着せられた。
「これでAは引退してない!」
とかなんとか。
4年間を予約されて、大学生活も全部とられて
それでも悪い気はしない。
別にそういう意味で付き合ってるわけじゃない。
ワガママに付き合ってるだけ。
でも、それも悪い気はしない。
とことん、私はみんなに甘い。
「心配すんなよ、OBは俺達で黙らせるから。」
「どうやって。」
「エース様が全部ぶっこわすんだって。」
「もう好きにしたら?」
「あー、A嬉しそう。」
そりゃあ嬉しいよ。
少なくともあと4年は誰かさんのワガママに付き合えるんだし。
また、梟谷学園男子バレー部マネージャーになれたんだし。
「すっごく、嬉しいよ。」
Fin.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミニタリー(プロフ) - 月夜桜さん» 返信ありがとうございます!覚えていて下さってとても嬉しかったです(^^)こちらこそありがとうございます(笑)あと、続編おめでとうございます!これからも陰ながら応援させてください(^^) (2017年4月8日 15時) (レス) id: f888c747b5 (このIDを非表示/違反報告)
バレー少女 - すっごく良いお話でした。もう、泣いちゃいました。これからのお話も期待しています。頑張ってください。 (2017年4月7日 22時) (レス) id: e2252f7cf4 (このIDを非表示/違反報告)
灰色キノコ(プロフ) - 月夜桜さん» ありがとうございます! (2017年4月6日 22時) (レス) id: 3d63e53cce (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜(プロフ) - 灰色キノコさん» わかりました!ちょうど今、続編が完成したのでお時間あれば行ってみてください!春高前の合宿からスタートです! (2017年4月6日 21時) (レス) id: c734ffa514 (このIDを非表示/違反報告)
灰色キノコ(プロフ) - 月夜桜さん» オリジナルなるバージョンを見たいです! (2017年4月6日 21時) (レス) id: 3d63e53cce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月夜桜 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月31日 23時