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12話 ページ12

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最近、AAの人気は右肩上がりだ。


この前のチョコレートのCMがとても好評だったらしく、また引き続きAが担当したらしい。


今度雑誌の表紙を飾るんだとルンルンで報告してきた時には夜がカップケーキを作ってお祝いしてあげてた。


「なー、A」

「ん〜?」


仕事帰りのこいつを捕まえて俺の部屋へと招けば、
俺のカラーの赤いツキウサをぎゅっと抱き締めながらベッドの上をゴロゴロと寝転んでいる。



「最近、忙しそうだな」

「嬉しい悲鳴だよ」


なぜ部屋に呼んだかなんて、特に理由なんてない。



ただ、最近お疲れな幼馴染みのことをもう1人の幼馴染みが心配してたのを、ふと思い出したから。



「今日も朝から仕事だったな」

「うん、」


返事をするAの声から、眠くなってきたんだなと察する。


「眠いなら寝ていいから」

「あ、分かっちゃった?」




へにゃりと笑いながら答えるAに
何年幼馴染みやってると思ってんだ、と返せば嬉しそうに笑った。



「さすが陽だね。」

「手のかかる幼馴染みをもつと大変だ」

「ひどーい」


えーんえーん、なんて泣き真似するAの顔を見れば目を瞑っていて、いつでも寝れるといった状態だった。


「化粧落としてからにしろよ」

「うん」


むくりと起き上がったAは目を瞑ったままで、自分でやる気はないといった所であろう。


「ったく」


化粧落としのシートでそっと化粧を拭き取ってやる。元々薄化粧のAだから、サッと拭くだけで済んでしまう。


「あ、冷たくてちょっと目醒めた」

「なんなんだよ」


へへへと笑いながら洗面所に向かった彼女は顔を洗い、歯磨きをした後またベッドに戻ってきた。


「陽の部屋にも夜の部屋にもわたしのもの置いてあるの便利だね」


さすがに服は置いてないが、いつだか使い捨ててもいいと、歯ブラシだの化粧落としだの、色々なものを俺や夜の部屋に置いて満足気にしていた。

「寝る」


ゴロンと再びベッドに沈んだ彼女はすぐに寝息を立てて眠ってしまった。


「俺の部屋だっつーの」


顔にかかった前髪をどけてやり、頬に触れる。


夢見ているだろうAを起こさないようにと、そっと電気を消して彼女の隣に一緒になって横になった。


おやすみ、


そう呟いた言葉に返事をするかのようにくるりと寝返りを打った。


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カキネ(プロフ) - 来栖陽香さん» こちらも読んで下さったのですね!ありがとうございます!こっちの更新ゆっくりですみません。また覗きにきてください♪♪ (2017年2月8日 8時) (レス) id: 96ef15536e (このIDを非表示/違反報告)
来栖陽香(プロフ) - この作品すごく良いです!応援してます。皆の口調とか、素晴らしいです。 (2017年2月7日 18時) (レス) id: 6cbc5eb4d4 (このIDを非表示/違反報告)
カキネ(プロフ) - いかそーめんさん» 初めまして、読んで頂きありがとうございます。更新遅くてすみませんまた覗きに来ていただければ幸いです。 (2017年2月3日 5時) (レス) id: 96ef15536e (このIDを非表示/違反報告)
いかそーめん - 年中組(特に夜君)大好きなので飛びつき読まさせていただきました!情景が読み取りやすい文章と可愛い幼馴染感にほわほわですw (2017年2月2日 19時) (レス) id: 5e62d193a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カキネ | 作成日時:2016年12月25日 10時

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