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4話 ページ4

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「おはよ〜」

目を擦りながら挨拶をしてくるAに返事を返す。


夜はそろそろこいつが起きてくるだろうからと
カフェオレを作りに行ってる所だ。


「ねぇ、陽。夜は?」

「カフェオレ作ってくれてるってよ」

「やった〜」


へにゃへにゃ笑って俺の隣に座る。
寝癖なのか右側が少し跳ねている所を指でいじる。



「すげーなこの寝癖」

「え〜?あ、ホントだ。夜みたい」

「俺のは寝癖じゃないからね?」

「あ、夜だ〜」


夜はへらへら笑っているAにマグカップを渡す。



「ごめんね?怒んないで」

「そんなで怒らないよ」


夜がそんな簡単な事で怒らない事なんて知っているくせに、謝罪の言葉を口にするAに夜は笑う。



「夜はこいつに甘いんだよな〜」

「それは陽もでしょ?」

「はぁ!?」


まぁ確かに他の人に比べちゃ甘いのかもしれないが夜はよりはそんなことないと思っている。


いつもすぐ近くで見てきたんだ。

夜が向けるAへの優しい眼差しを。



Aはどう思ってるか分からないが、こいつはいつも俺らどちらかにくっついてヘラヘラ笑っている。




――昔からそうだ。


Aの両親は海外出張が多く、いつもAは1人だった。


幼馴染みである俺と夜の家にいることなんてしょっちゅうでまるで家族の一員の様に馴染んでいた。




そして、今でもずっと3人一緒。

これが腐れ縁って言う奴なのだろうか。




「陽?どうしたの?」


黙りこくった俺の顔を覗き込むようにしてきたAの頭をわしゃわしゃと荒く撫でる。


「わわわ、なにすんだ」

「うるせー」

「夜!陽がいじめる〜!」

「零さないよう気を付けてね」



俺たちのやり取りをクスクスと笑って見ていた夜の腕をAが突然引っ張るから3人揃って倒れ込んでしまった。


「おわっ、」

「ちょっと、A、」


俺の上にAが乗り、その上に夜。

夜は俺らに体重が掛からないようにと咄嗟に床に手を着いて体を支えているが正直辛そうだ。



なんだこの姿勢。
幼馴染みサンドイッチってやつ?
つーかこの体勢きっつ…
そろそろ退いてくんねぇかな……。



夜は退こうとしようとしてるのだがAが夜の腕を離そうとしないので叶わない。


俺らの事なんて気にせずAはケラケラ声を出して笑っていた。


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カキネ(プロフ) - 来栖陽香さん» こちらも読んで下さったのですね!ありがとうございます!こっちの更新ゆっくりですみません。また覗きにきてください♪♪ (2017年2月8日 8時) (レス) id: 96ef15536e (このIDを非表示/違反報告)
来栖陽香(プロフ) - この作品すごく良いです!応援してます。皆の口調とか、素晴らしいです。 (2017年2月7日 18時) (レス) id: 6cbc5eb4d4 (このIDを非表示/違反報告)
カキネ(プロフ) - いかそーめんさん» 初めまして、読んで頂きありがとうございます。更新遅くてすみませんまた覗きに来ていただければ幸いです。 (2017年2月3日 5時) (レス) id: 96ef15536e (このIDを非表示/違反報告)
いかそーめん - 年中組(特に夜君)大好きなので飛びつき読まさせていただきました!情景が読み取りやすい文章と可愛い幼馴染感にほわほわですw (2017年2月2日 19時) (レス) id: 5e62d193a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カキネ | 作成日時:2016年12月25日 10時

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