五節{This Fffire} ページ37
フレッドside
外が騒がしい。もう時計は二十一時を回っているというのにお祭りみたいに外は村人の声とサイレンの様な音が響いていた。
｢おい。集中しろ。｣
勉強している僕の後ろで鞭を持った父が、苛立っているのか貧乏揺すりが激しくなる。
｢は、はい。申し訳ございませんお父様。｣
父に謝罪をし、勉強に集中しようと問題文を改めて読むが、矢張り外が五月蝿過ぎる。父も僕の方ではなく外の方に苛立ち初め、近くにあった窓に近付く。
窓を覗くと、外は全体的に橙色に光り輝いていた。僕は一瞬で火事だと理解し、勉強机から離れ家から避難しようとする。
｢おい。お前、何処に行く？｣
父は僕の方を睨み、鞭を持った手を上げようとしたその時、父の近くにあった窓が溶け、人型に壁が燃え始めた。それに僕達の動きが止まり、汗をかきながら壁の人型の炎が燃え盛る所を眺める。そして今迄に嗅いだことの無い異臭が壁から放たれる。
｢な、何だ…！？｣
壁は完全に焼け焦げ崩れ落ち、外と繋がってしまった。焦げ落ちた壁の中から僕と同じ背丈位のナニカが居た。僕はソレを見て、異臭の招待は此奴の臭いだったんだ。と理解した。
｢……｡｣
ナニカは、激しく燃え上がりながら黙ってお父様の方を見ていた。
｢き、気味が悪い！おい水を持ってこ｣
父が僕に命令を仕掛けた瞬間、激しく燃え始めた。父だけでなく、ソレの近くにあったもの全てが激しく燃え始めたのだ。
｢た、だぅケｯ｣
｢■■■■■■。｣
ソレは父の胸に腕を勢い良く刺し、心臓を取り出し握り潰した。
怖い。あの父が殺されてしまった。僕も殺されるかもしれない。という不安を抱きながら、僕はその様を足を震わせながら眺めていた。何故僕は逃げないんだろう。
｢……｡｣
ソレは僕を見つめた後、父の体から貫通した腕を抜き、灰となった遺体を強く踏み付けて帰って行った。
｢え…？｣
彼は父を殺して戻って行ってしまった。見逃されたのだろうか。僕は父の遺体を蹴り、焼け焦げた壁から外に出る。
｢村が…燃えてる。｣
外は視界一杯に炎の海が広がる地獄絵図だった。嫌いな虐めっ子の家、いつもセクハラばかりするオジサンの家等が激しく燃えていた。
きっと、きっと彼だ。
｢あれは、君なのかい？コーティア。君がやってくれたのかい？｣
僕はその場で村が焼かれる様を見て笑い転けた。僕はこの日心の底から初めて夜が楽しいと思った。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (
レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ！ってなりました！更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います､【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして､とても楽しく読ませて頂いております｡此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます！ (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肉塊 | 作成日時：2022年7月29日 21時
