三節{read too deeply} ページ35
｢どうしたんだ二人共、喧嘩は良くないぞ。｣
陽気な大人の声が俺達を振り向かせる。何度も聞いた事のある、信頼のおける声だった。
｢ハミルトン！｣
｢こら、ちゃんと巡査と呼べ。｣
ハミルトンは微笑みながら俺達の頭をワシャワシャと撫で回す。それにフレッドははにかみながら撫でる腕を止めようと掴む。素直じゃね〜。
｢今帰りか？｣
｢おお。ハミルトンはパトロール？｣
｢だから巡査って言…いや、良いや。｣
｢諦めた。｣
俺達の視線に合わせようとハミルトンは中腰になり、今度は俺達の肩に手をどっしりと乗せる。ハミルトンが中腰になった瞬間、首元に包帯とその周りに隠し切れていない火傷が見えた。
｢何だよ鬱陶しい。｣
｢…最近、放火魔が出ただろ？俺はその悪い奴を捕まえる為に見回りをしてるんだ。｣
｢お前には捕まえきれねぇよ。｣
｢もうコーティア！ハミルトンに失礼だよ！あのへっぽこハミルトンに仕事が来てるんだ！頑張れくらい言いな！｣
｢二人して俺を侮辱しやがって…。｣
フレッドはトホホ、と悲しそうな顔になり立ち上がる。そして覚悟を決めた様な顔へ一気に変える。
｢俺の友人九人、放火魔に殺された。｣
｢！？｣
俺達は一気に冷や汗が流れ、互いに目線を合わせる。
｢俺は絶対に放火魔を捕まえる。だから応援よろしく。そして絶対に気を付けろよ。放火魔は黒い服装にガスマスクを付けているとの情報だ。見つけたら、絶対に逃げるんだぞ？｣
覚悟の決まったハミルトンの顔に俺達は気圧され、｢頑張れ｣と二人口を揃えて言った。それにハミルトンはニッカリ笑い、｢じゃあな！｣と気分良くして俺達の住む村へと足を早めた。
｢あれを見ても、家を燃やして欲しいなんて言えるか？｣
｢…僕が馬鹿だったよ。ハミルトン、捕まえられると良いね。｣
｢そうだな。でも彼奴警察官として馬鹿な事したな。｣
｢警察官として？ハミルトンなんかした？｣
｢先ずは仕事に私情を挟むのはどうかと言うこと。そして彼奴は俺達に気を付けろ、とか言ってたけどよ、行先は俺達の住む村だ。普通あの話の流れで、村に進むのなら警察官として俺達と一緒に帰るのが普通なんじゃねぇの？｣
｢…先走ってたんじゃない？そして考え過ぎだよコーティアも。ハミルトンは頑張ってんだから。それより、もう辺りは暗いよ。もうお互い帰った方が良い。｣
｢そうだな。｣
俺達は、いつもより明るい村へ足を運んだ。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (
レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ！ってなりました！更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います､【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして､とても楽しく読ませて頂いております｡此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます！ (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肉塊 | 作成日時：2022年7月29日 21時
