第七十五話「BUMPBUMPBUMP」 ページ28
壱撃。
「グァッ!」
弍撃。
「ギッ!」
惨劇。
「ガバッ!!」
煙の中から鉱石と化した拳が何度も何度も私の体を殴り続ける。その衝撃により私の身体はひび割れ砕け、出血する。
そして可笑しい事が一つ。私は今体温を最高の1500度に上げているにも関わらず、攻撃してくる鉱石の拳は溶けるどころか焦げもしない。
「な、なんで…こんなッ?」
意識が朦朧とし始め、足元がおぼつかなくなる。ヤバい。完全にこの人は私を殺しに来ている。このままじゃ私はこの人に殺されてしまうわ。
「なんだ、所詮ぽっと出の異能力者に変わりは無いんだな。」
「……。」
煙の方からつまらなそうに私を煽る声が聞こえる。私は口の中に溜まった血を吐き出し、声がする方へ睨む。
「ではお前はきっと、次の攻撃で死んでしまうだろう。
あーあ、コーティアの後釜だから骨がある奴だと思ったんだが、たかが猟犬という調子の良い軍団に絆されただけの存在だったか。つまらないなお前。ガッカリだ。」
煙の中からもう一度、硬い鉱石の拳が私目掛け飛んでくる。私は足に力を入れ踏ん張り、両手で飛んでくる拳を止める。
煙は晴れ、正面にニンマリと笑う怪獣女こと全身の肌が鉱石と化したエリックさんと目が合う。まるで動く石像だ。
「ふん、見事。」
満足そうに言って、彼女は私の顎を蹴り上げた。
その衝撃で、私は完全に意識を手放してしまった。
「おい、起きろ。この女の次はお前だコーティア。」
蹴り上げられた瞬間、自動的に体の支配権がAから俺にシフトチェンジしてしまった。
コーティアside
蹴り上げられ、後ろに倒れる体を俺はなんとか頑張って持ち直す。ふん、お前ら読者に出来ない空中での回転技だ。かっけぇだろ。そんな事よりだ。
「久しぶりだな怪獣ババア、旦那はまだ生きてるか?」
「フン、私と息子の世話で過労死寸前さ。
それにしても面白い体になったなコーティア。意識が入れ替わると髪の色も変わるのか。懐かしいな。以前のお前の温そうな色だ。」
「いつまで余裕ぶっこいてんだ…よ!?」
俺が話しているにも関わらず、ババアは物凄い速さで俺を目掛け小さな瓦礫を投げ頬を掠めさせた。血がそこからジワジワ流れ、俺は思わず固唾を飲み込んだ。
「そして一つ、訂正だ。
私はまだ二十八歳だ。まだまだ人生初心者だぞ。よく覚えておけ亡霊。」
やべ〜めっちゃ怒ってんじゃんババア。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時