第六十八話「お昼のお誘い」 ページ21
「…手前等武装探偵社っていう組織がどの位阿呆かっていうのがよく分かったぜ。麦藁帽子、手前は頭下げなくて良いぞ。」
「え?」
俺は体をゲス野郎の方に向け、片方の足の裏に熱を貯める。
「いいか?今からお前に尊厳を守り、そして人質を救う良い方法を教えてやる。」
「なっ!攻撃する気だな!?この餓鬼を殺して良いのか!?」
ゲス野郎は後退りし、俺にナイフを見せびらかす。阿呆が。どんだけ俺の事を見くびってやがる。
「やってみろよ意気地無し。本当にその餓鬼殺したら俺も土下座してやんよ。」
「クソがっ!!」
ナイフを持つ腕を上げ、勢い良く餓鬼目掛け振り翳す。だがお前がその餓鬼殺すより、俺がお前を殺す方が早い。
俺は熱を上げていない方の足で地面を蹴り勢いをつけ、熱を上げた方の足で地面を溶かしてスケートの様に移動する。
「おせーんだよゲボカス。」
俺は直ぐにゲス野郎の間合いに入り、その勢いを忘れず熱い足で此奴の顎に蹴りをお見舞いしてやった。
「ガッ!?」
ゲス野郎は五米程飛んでいき、顎を溶かしながら気絶した。ざまぁみやがれ。俺はクルリと正座する麦藁帽子に向け指を指す。
「いいか?つまりな、勢いで全て解決出来んだよ!!」
「成程!」
麦藁帽子は納得のいった顔でポンと掌に拳を乗せた。
「…男がどんな役目背負ってたとしてもゲス野郎なんかに頭下げんな。俺は正しさなんて分かんねぇしお前等みたいな立派な理想を掲げる様な英雄でも無い。頭一つ下げれば助かる命があるなら是が非でも下げるって思ってんのかもしれねぇが。…誇りだけは突き通せよ。お前等この街のヒーローなんだろ?」
「……!」
「そしておい、餓鬼。」
プルプルとその場で腰抜かして蹲る餓鬼に話しかける。すると餓鬼は俺の顔を見て泣き喚いた。
「うううァえあぁあぁあああ!!」
「うおお!泣くな!あぁあ違ぇ!いや我慢してたんだよな!?泣いていいぞ!!良く頑張った!!偉いなぁー!うん!」
俺は餓鬼の頭をさすり、全力作り笑顔で諭す。
「…コーティア君。僕の名前は麦藁帽子では無く、宮沢賢治です。」
「ああ?」
「是非、宜しければこの後一緒にご飯食べに行きませんか?監視役とかそう言うの抜きで、友達として!」
「…良いのかよ。それ。」
「はい!だって、コーティア君は優しいですから!」
賢治はそう言って俺の手を取った。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時