第六十四話「糞会社がよォ!!」 ページ17
【先ずはその服を先に着て来てくれ。話は其処からだよ。】
俺は経費で貰った服を着る。新品の服なんて久々だ。
「…まぁまぁセンス良いじゃん?」
鏡を見てクルリと体を回転させる。マフィアの旦那に顔だけ女と言われたが、確かに此奴顔良いしスタイルも良いな…。
〜
「うィ〜す待たせたなぁ。」
医務室から出て、オフィスに入ると客の談話用のソファーの上に寝転がる太宰の前に仁王立ちで立ち見下ろす。
「おお、似合うねストリート。私も買ってみようかな…。」
「手前にゃ似合わねぇよ。」
「最近の子供は口が悪いなぁ…。」
「俺はレッキとした十八歳だ!!」
「オッホン!」
国木田のわざとらしい咳払いが向こう側から聞こえてくる。フン、それだから女にモテねぇんだよ。Aの記憶を見たから分かるぜ俺は。
「じゃあ本題に入ろう。」
太宰はソファーに座り直し、俺もドカりと正面のソファーに座った。
「おう!」
「…Aさんの顔でその態度は調子狂うなぁ。まぁいいや。
君の今動かしている体の主、中本Aさんは武装探偵社の社員だ。社員であり戦闘向きの異能力者である以上、難事件の解決、横浜の平穏の維持。そして社員同士助け合いをする。此処までは分かるかな?」
「よく言うぜ。助け合うとか言う癖、昨日の花嫁殺しの件は全く対応してくれなかったじゃねぇか。俺は綺麗事は嫌いだぜ?」
「そうだね。それについては謝ろう。犠牲者を出したくなかったのだよ。」
ドス黒い笑みが溢れる。胡散臭ぇ。俺は本能で此奴は信じたらいけないと思った。
「犠牲者…犠牲者ねぇ。それはなんだ?皮肉か?」
「話が脱線しているよ相棒君。今話すべきはそれじゃない。本題に戻ろう。幾ら社員の体の中に入っているとはいえ、君は探偵社の社員じゃないじゃないか。」
「あ?だったら何だよ。」
「良いかい?先ず君は私達社員に信用されてないのだよ。仲間の力の源とはいえ、以前は異国の名の知れた犯罪者。何をしでかすか分からない爆弾だ。
今回Aさんが意識不明で君が変わりに出てるのならば、私達は君を監視しなければならない。君を知るにはなんとも好都合じゃないか。そこでだね、君には監視役兼相談役を付ける事にした。」
「太宰さん!準備万端です!」
元気の良い麦藁帽子の小僧が現れ、太宰が笑う。
「つまりだね、君を信頼出来ない限り、Aさんを助けられないのだよ、」
この会社まぁまぁ糞だな?
第六十五話「監視とかキツいわ」→←第六十三話「信用ねぇなぁ!?」
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時