第六十二話「マジで嫌いだわ」 ページ15
「おまっ、な、中本か!?」
早朝の少し冷たくて爽やかな空気が俺の頬を撫でる。まぁ、俺の体では無いから詳しく言えばAの頬ってなるが、まぁ面倒臭いので省く。
そして目の前には血相変えて後退りする国木田が居た。
「よぉ、俺がいちばーん。」
〜
「どうしてこんな体で動けたんだい?中本…じゃなくて中身の犯罪者の奴。」
医務室にて、俺の苦手な与謝野って医者がまるで信じられない様な顔をして体を見る。
「知らねぇよ。怪我したのは此奴が仕事下手で異能が真面に使えなかったからだ!俺別に悪くねぇよ!」
俺は医務室のベッドの上に身動きが取れない程ガッチリ拘束された。まぁ抵抗する元気は無いが。また死ぬ程痛めつけられると考えると今すぐ暴れだしたい気持ちだった。
そんな俺を無視するかの如く、マジマジと怪我を見る。
「まず脳天に銃痕。左腕は無理矢理熱で付けたのか大火傷。右腕は硝子の様に砕け消滅。腹部や背中、肩等に血で出来た短刀が山の様に生えている。そして銃撃戦をしたのか至る所に多くのかすり傷…。
…太宰の言ってた説は本当だったのかい。」
「あぁ!?」
与謝野の顔を覗くと彼女は下唇を噛み、辛そうな顔をしていた。
「…気分が悪い。手短に終わらせるよ。」
与謝野はそう言って額の穴を優しく撫で、「ごめんよ。」と呟いた。その言葉に俺の心に罪悪感が募っていく。
「…君死給勿。」
彼女の優しい声が、俺を少しずつ寝かし付けた。
〜
「起きろS.H.コーティア。」
堅くてぶっきらぼうな声が、俺の名前を呼ぶ。
「…はよぉごぜぇま〜す。」
俺は瞼を開き、重たい上半身を上げ、正面を見た。正面には探偵社社員達が俺を警戒しているのか、重たい空気で見張っていた。
「いつまで体の主導権を奪っている。早く主導権を中本本人に渡せ。」
国木田は俺を睨み、手帳を構えていた。
独歩吟客。手帳サイズのものを何でも出せる能力か。面倒臭そうな異能っていうのは覚えていたが、真逆此処でお披露目とは。楽しみだ。
「もぉ!国木田君ったら!社長からの言いつけ聞いてたのかい?」
陽気で調子が狂う声が医務室に響き渡る。疲れている体にとってその声はキツイものがあった。
「…太宰。」
「そんなんだからAさんが出てこず相棒君が髪を橙色にするんだよ!」
「関係ねぇよ。」
太宰は俺の顔を見て、ニンマリと不敵な笑みを零した。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時