可哀想9 ページ9
重力side
あいつらが外に行っていたときの話をしよう。
.
あいつを連れて行く彼の背中を見届けて、
俺はこの人と話すことになった。
「あの、」
「あんた達、兄妹じゃないでしょ。」
「…わかってたんですね。」
なんだ。バレてたんだ
特にこの言葉に関しちゃ
その程度の考えしか生まれなかった。
本当に考えるべき言葉はこの次だった
「義理の妹か頼まれて来てるのかなんて知ったこっちゃないけど
ちょっと気になるのよ。」
「何がでしょうか?」
何が気になるんだ。
頭が決していい訳でもない俺にはわからなかった
「あんたはさ、あの子のことをちゃんと見たことあんの?ってこと」
「……」
心臓が、呼吸が、細胞の働きが停止したんじゃないかって思った
でもそんなのはまた動き出した。水を得た魚みたいに
「俺は……お、れは………」
「…」
質問されたことに返そうにも肝心の声が出ない。
俺は、の次が出ない
なぜ。
なんで。
わからない。
言葉出てこいよ。
出すのは俺なのに俺は俺に願った
おかしな話だ。
「あの子の顔、ちゃんと見たことあんの?」
次に投げられた質問にも答えれない
「(ある。あるよ。あります。)」
頭じゃこんなにも訴えてるのに伝わらない。
炎司さんに似た赤い長い髪も
冬子さんに似た少し垂れ目な目も
エメラルドグリーンの瞳も
゛僕゛はあの子が産まれた時からずっと…＿＿＿＿＿＿
「あの子の心を見て、聞いてあげたことはあんの?」
ここ、ろ…?
こころは…
こころ…心……
心の声…
あの子の、心……
「きい、たことも…見たことも、な、い……」
「…そう」
＿＿＿＿＿＿見てなんていなかったんじゃないか。
「僕はあの子のことを見てなかったんですね…」
そう言えば、あの子から…
『痛い』しか聞いたことないや。
僕のふわふわとした頭の何処かで
そんな思い出が横切った
そんな、クソみたいな思い出。
.
(俺は見せかけのヒーローだ。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
勝手に轟君のお母さんの名前を
冬子にさせていただきました。
不愉快でしたらすいません。
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ふぐひらめ - 重力さん…好きぃ………。応援してます！そして、轟くんのお母さんは、公式で冷(れい)さんになっています！ (2023年2月13日 20時) (
レス) @page30 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 早く更新して下さい (2022年2月6日 21時) (レス) @page11 id: 21d26509af (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみにしてます…！ (2021年7月6日 23時) (レス) id: a28f1e7c3c (このIDを非表示/違反報告)
k.k - 勝己のお母さんの言葉、すごく泣けた。 (2020年8月27日 17時) (レス) id: db3fbbd863 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - んんん、なく、、大分更新してないのかな、、 (2020年8月4日 17時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
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