62丁〜過去編〜 ページ13
2週間後、夜中にある研究員が能力を消す薬を持って僕の部屋に来た。僕はそれに気づかず打たれて眠った。そして、目を覚ますとニヤニヤした顔の男が枕元に立っていた。僕の血を舐めたあの変態研究員だった。
その男は捕獲用の器具で僕の手足を拘束し無理矢理キスをした。あの時の感覚が戻ってきた。気持ち悪い。変に抵抗手段を体に宿してしまった僕の体は、脳は、抵抗しようとしていた。しかしどうにも出来なかった僕はそのまま研究員の溜まっていたものを吐き出された。行為が終わり服をしっかり着た研究員が「何も無かったことにしろ。もし他言したらお前が逃げようと俺を誘ってきた、と言う。きっと殺されるだろうな。顔が綺麗なことを恨むんだな。おやすみ子猫ちゃん」と鼻で笑った。器具を外し何事も無かったかのように部屋を出ていった。
そこから僕は色んな研究員の吐き出しに使われた。僕は他言しなかったがあっちは他言したようだった。でも僕には他言しようがなかった。
施設に来てから2年と5ヶ月。施設が爆破された。廊下にS.H.I.E.L.D.と文字の入ったチョッキをきてる軍人達が駆け回っていた。1団体が過ぎ、少し静かになった。誰も僕に気づかず施設と一緒に爆破されるんだろうと死を悟っていた。しかし、弓を構えたサングラスの男と目が合った。きっと放置されるそう思い膝に顔を埋めた。するとドアの方から爆破音が聞こえた。その人はただ一言、「大丈夫か？」と言った。でも僕は無視して体を縮めた。すると頭の上からため息が聞こえ、僕の体と膝の隙間に腕を入れそのまま持ち上げ僕を担いだ。
何が起きたかわからなかった。ただ、肩に担がれたまま見慣れた廊下を初めての目線で走っていた。きっとこの人は僕の能力を知らないだろうし今撃てば殺せる。でも何故かそんな気は起きなかった。たぶんいち早くここから出たかったんだと思う。そのまま雑に車に乗せられ拘束も何もせずにただ、毛布を掛けてくれた。すごく暖かかった。
「名前は？」とぶっきらぼうに聞かれた。正直に答えていいのかわからず黙っていたら「俺はクリント・バートン。お前は？」と聞かれた。相手が名乗ってくれたのにこっちが名乗らないわけにもいかず「…A・バーナム」と答えた。このファミリーネームは父さんと同じだが母さんとも同じだから無くさないように、と思った。
バートンさんは少し笑って「疲れただろ。寝てろ」と頭を撫でた。手が大きく硬かった。優しかった。椅子の上だけど、充分気持ちよく寝れた。
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ツクモ - いやもうホント最高でしか無いです…更新楽しみにしてます！ (2023年3月22日 23時) (
レス) @page16 id: 339da5a069 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年3月29日 7時) (レス) id: cb81979de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まーと@ x他1人 | 作者ホームページ：http://hitoravu@2014
作成日時：2019年3月29日 1時
