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電話に出た相手は私の言葉を聞いた後一気に言葉遣いをフランクにさせ言った
『あー…もしかしなくても君がセンラさんのストーカー?』
頭の中が真っ白になった
(ストーカー…?)
ストーカー…その言葉は私の事を強く縛るワードだった
私が思考の渦に飲み込まれそうになった瞬間、電話の向こう側から彼の声が聞こえた
『志麻君〜?』
彼の声を聞いた事で私は一瞬で現実に引き戻された。
自分の目的は最愛の彼と会う約束をとりつける事…
そのためには電話を変わってもらわなければいけない。
未だ恐怖心は残っていたが遠くから聞こえた彼の声に勇気付けられもう一度口を開こうとした
その時、私よりも先に電話の相手が口を開いた
『あのさ、黙られても困るんだけど
とりあえず、ストーカー行為はやめて。センラさん困ってるし、センラさんがやめて欲しいって言ってるから
もう二度電話とかかけてこないでね』
と、冷たい声で言われブチッと切られた
彼が困っている、やめて欲しいと望んでいる
それは私との付き合いに疲れた果てに出た彼の本音なのだろうか
それとも彼の電話に出た相手の勝手な推測なのか
…どちらにせよ私は彼にとって迷惑にしかなっていなかった、それは事実だろう
その事実に気づいた瞬間私を包んだのは絶望だった
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作者名:桜香 | 作成日時:2019年1月20日 0時