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その日から私は仕事を沢山した
なんとなく嫌な予感はしていたが食べ物を食べては吐き、寝ようとすればセンラの事を思い出し泣き眠れないようになった。
携帯電話に恐怖心を抱き電話を解約してマネージャーを電話代わりにした
何も出来なくなりそうだった響を支えたのは昔センラが響に送った言葉だった
全てを投げ出して死のうとする度に頭の中で
「俺、お前の演技がホンマに好きや。いつだって人を元気にさせるような力をお前はもっとる、だからお前はずっとそのまま好きな演技をおもいっきりしとってな」
と言うセンラの言葉がこだまする…その度彼女は自分を取り戻した
だから仕事をたくさん詰めた
仕事を…演技をしている最中は何も余計なことを考えないで済んだから
演技をしていれば食べることだって、眠ることだって出来た。だから彼女は完璧なHibikiを演じた
それまでもぎゅうぎゅう詰めだったスケジュールをさらにぎゅうぎゅう詰めのスケジュールにした
休む時間どころか寝る時間さえギリギリに切り詰めて仕事をして、まさに演技漬けの毎日を送った
ほんの少しのミスも許さずひたすらに完璧を自分だけに求めていった、ほんの少しでも立ち止まれば動けなくなるような気がして恐ろしかったから。皮肉な事に響が頑張れば頑張るほど仕事は増えていった。
そして元々日本屈指の大女優だった響は半年ほどで日本のトップ女優にまでのぼり詰めたのだ
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作者名:桜香 | 作成日時:2019年1月20日 0時