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私達の関係は高校になってからも変わらなかった。
中学の頃から二人で生徒会に所属し生徒の前で話す事が多かった事もあるのか、なぜか文化祭などの時は毎回二人で恋愛劇の主演を任されふようになった。
私が演劇に出会ったのはこの時だった。
演じる事が楽しくて、二人で彼の家で一緒に色々な童話や小説の役を演じた。
その時に
「俺、お前の演技がホンマに好きや。いつだって人を元気にさせるような力をお前はもっとる、だからお前はずっとそのまま好きな演技をおもいっきりしとってな」
と言われた。
その言葉を思い出した瞬間に現実を思い出してしまった。
自分の状態を確認すると手には包丁を持っていて…首筋に当てていた。
時間を確認するとあの電話からすでに数時間たっていて…
自分の部屋は数時間前の面影が見当たらないほどに散乱していた。
辺りには沢山の砕けたガラスや、切り刻まれた私服の残骸…足元には自分が今まで使っていたスマホが画面にひびが入り転がっていた。
台風でも通ったのかと勘違いできるほどの惨状だったが恐らくこれはすべて自分でやった事だろう。
そして正気を取り戻していなかったら自分の命を自分で断っていたかもしれない。
明日も休みだった私はとりあえず包丁を仕舞い、自分の持てる技術の全てを使い部屋を綺麗にした。そしてその日は寝た。
翌日起きてなんとなくご飯を口に入れたがその瞬間吐いてしまった。
そして再び死にたいと思ってしまい、包丁に手をかけてしまいそうになった所をなんとか自制した。
その時、自分が昨日からしている行為にようやく危険性を見いだした。
とたんに自分の事が恐ろしく感じ、ふらふらと立ち上がり玄関でうずくまり、
翌日マネージャーが家に迎えに来る時まで一睡もせずに寒い玄関で震えていた
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作者名:桜香 | 作成日時:2019年1月20日 0時