Happy Villains Story!!【短編集】 2 (ページ6)

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たすけてページ6

彼女を守らなくては……

ベッドに体を預けて死んだように目を瞑る彼女を。

｢私のせいで……｣

これは彼女の悪い所

私に負担をかけまいと、1人で動くところ。

それで1回倒れたじゃない……

ミスターに怒られたじゃない

溢れそうな涙を零さないように上を向くと、キィィ…と音が聞こえた。またアイツらが来たのか？と近くにあった掃除用のモップを握る。足音が3つ。途端に不安が押し寄せる。私が相手になれるのか？さっきも変な影が眠る彼女を消そうという殺意をあらわにしながら手を伸ばした。

まさか、もう追っ手が!?

私に追い払えるの？

さっきだってやっと追い払えて、

もう体力的に限界なのに…！

声が出ない代わりに涙は沢山出る。
午前中に行ったリクルーティングは、この嵐で中止になった。ゲストの方もどこかに避難するか帰ったのだと思う。だからと言ってゲストの方ががリクルーターの皆さんや私たちのいる空間までくるのは、ミスターがかけた魔法によって見えなくなっているし、見つかったとしても、入った瞬間に気を失わさせて記憶を抜きとってお返しする。だから有り得ない……この影達は何なのだろうか。得体の知れないものだから、怖くて助けを求めたくなる。

たすけて……みなさん！

近くなる足音が怖くなり、掴んだモップを離しそうになるが、後ろで眠っている彼女を見て自分を取り戻す。

…………いいえ、

やらなきゃいけないのよ。

これは私の唯一できること

誰が来ても守らなきゃ……

Aのことを。