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Ms.ハーデス 《破片》 ページ33
私がまだ冥界にいた4年前、彼女は現れた。
｢あら｣
｢お久しぶりね、ハーデス｣
｢……何か用？直接来るなんて、珍しいじゃない｣
扇を広げてそう聞くと、彼女は笑って頬をかいた。冥界に来たのだから、生を全うしたのだろうと聞くまでもない答えを待っていると予想外の答えが返ってきた。
｢鏡の破片を知らないかな｣
｢……は？｣
見たことないわよ、破片なんて。第一、そんな理由で冥界まで来たの!?
｢そ、それを見つけるために此処に来たの……？｣
恐る恐る聞いてみると、冥界の仄暗さが人間界の昼のような明るさになるのではないかと言うくらいの、眩しい笑みを見せて｢半分せいかーい！｣と拍手をした。膝の力が抜けて崩れ落ちそうだったわ……
｢……ここなら、あると思ったんだけどな｣
｢知らないわよ、というか貴女まだ死んでないわよね？｣
｢違うよ、悪さしてた子達を連れてきたの……何度も何度も警告したのにね｣
｢私の仕事を増やさないで欲しいわ……｣
悪ふざけで、とある儀式を行った4〜5人の男グループ。見た目は派手なのに顔はやつれて、やや俯いていた。それを眩しい笑みで連れてきた彼女は、新しい友人を持て成す子供のようだった。そいつ等を無理やり押し付けて帰ろうとする女を呼び止める。
｢ねぇ、──……は、これから何処へ行くの？｣
｢何処だろうね……とりあえず、人間界に行くよ｣
先に待ってるね。と手を振って消えた──……。
その4年後、本当に会えるなんて思わなかったわ。
なんで人間のフリしてるのよ、A
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作者名：東雲大我 | 作成日時：2018年10月22日 2時
