Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ20)

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続きは今夜【Ms.ハーデス】ページ20

『お高くとまったレディ、Ms.ハーデス！』

｢ご勝手に｣が口癖の彼女は、優雅に扇を広げて淡々と口上を述べた。そんな口上中にメンズ・ヴィランズのエイトフットさん、ダルメシアさん、ジャックハートさんは、ハーデスさんの炎を消そうと息を吹きかけたり、手で扇いでみたりと試みるが、それがバレて｢冥界の炎は、そう簡単に消えないわ｣と言葉は怒っているが、余裕のある顔だった。そしてダルメシアさん、私を盾にしないで下さい。

優雅で美しい彼女は、ヴェールさんからは｢道標(みちしるべ)｣と言われ、メンズ・ヴィランズは暖をとったり、大袈裟に熱いという表現をしたりする。マスターであるハデス様の名前を出せば、子鹿のような軽やかな足取りでハデス様のシルエットに手を振る。それが可愛いとゲストの方々に評判が良い……と風のうわさで耳にした。

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少し遡って初めの挨拶をしている際、ゲストさんに｢可愛い！｣と言われ、感謝の意を示してから嬉しかったので、前から挨拶をしながら此方に歩いてくるハーデスさんに駆け寄り、『可愛いと言われました！』と報告すると、目を細めてから扇を広げて近くにいた立ち見のゲストさん達に壁を作るように向ける。

｢今日のリクルーティングが終わったら、昨日の続きをしましょ？｣

バッチリとマイクによって拾われた音声に誰もがこちらを見た。スカーさんは、｢何するの？何するの？｣と後ろから抱き締めるような形で聞いてくる。ダルメシアさんをエサにして、それを回避するとダルメシアさんが嫌がってこっちに逃げて来る。それを避けるとダルメシアさんが｢覚えてろ！A！｣と叫んだ。ごめんなさいと心の中で謝ってからハーデスさんを見ると、｢楽しみだわ｣と言わんばかりの笑みを見せた。