Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ12)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:29,406 hit

歌【ヴェール】ページ12

リクルーティング中、高らかに歌うヴェールさん。その歌声はとても美しく、どこまでも響く……流石ノートルダム大聖堂の鐘だ。

｢美しいね……｣
｢言ってる場合かよ、早くやめさせろ｣

マルフィさんと聞き惚れていると、たこ……エイトフットさんに押されてヴェールさんにポーズをお願いする。ただお願いするのもつまらないので、少し工夫して機嫌よくポーズをとらせる方法を思いついた。

『ヴェールさん、目の前にフロロー様がご覧ですよ』
｢……本当ですわ！｣
『フロロー様に褒めて貰えるようにポーズを、お願いします』

ゲストさん、ありがとう。

───────……

今日のレディ・ヴィランズは、ヴェールさん、ハーデスさん、ホックさんだったためにヴェールさんの機嫌が良い……と言いたいのだが、ジャックハートさんが居たために少し嫌な顔をしていた。彼と何かあったあとは、私のところに来て愚痴を言ってから一緒にポーズをとったりしていた。たまにアドリブを混じえながらリクルーターの名前を呼んでポーズをしていると、ヴェールさんが笑顔で近寄って来た。

『ヴェール！ヴェール！ヴェール！フロロー様！』

つい、フロロー様と叫んでしまうと、口上の時に目の前にいたフロロー様の仮装をしたゲストさんの方へ走って満面の笑みを見せて優雅に去っていった。

｢Aー、フロロー様を困らせない｣
『大変失礼致しました、フロロー様』

ゲストの方に謝罪をしてリクルーティングを再開させる。そして、未だにギクシャクしてしまうジャックハートさんとの距離