Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ1)

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禁断の果実【アップルポイズン】ページ1

─────……Youは世界一Beautiful

本当にワンバイトすれば美しくなれるのか……と不意に思ったとあるリクルーティング。マイクに向かって自己紹介をし、ポーズをとって帰ってくるアップルポイズンさん。背が高く紳士的な対応、そして謎のダンスを踊る……しかもキレッキレな。

キャストと同じ格好をしてリクルーティングを見ている私は、アップルポイズンさんを見て彼の手にするリンゴを見ていた。毒の盛られたリンゴがキラリと光れば、だいたい後ろでマルフィさんが、自身の持つ手鏡でイタズラしていたりする。

……なんて事は置いておきます。
私が気になるのは、それをワンバイト……つまり一かじりすれば、世界で1番美しくなれるというセリフだ。苦労して保っている肌だって、いつ晒すかもわからない美脚だって、スタイルだって運動とかして維持してるのに……それを食べるって簡単な事で綺麗になれるって……!!

──────────────…………

｢夢みたいか？｣
『うわっ!?ア、アップルポイズンさん……』

お疲れ様です。と反射的に挨拶をすると、椅子を引いて私と会い向かいになるように座った。その動きに無駄はなく、とてもスマートだった。

｢Aの大きな独り言が聞こえたもので……少し声をかけただけなのだが……そんなに驚かなくてもいいだろう？｣
『え……さっき、の？全てですか!?』

アップルポイズンさんは、満面の笑みで返す。反対に私は力が抜け、背もたれに寄りかかる。
リクルーティングが終わり、エントランスに設置されたソファで報告書と明日の予定を確認しているとアップルポイズンさんが現れた。という感じなのだが、座ったアップルポイズンさんは、何も言わず私の顔を見つめてから、肩を揺らして笑った