星が夜に溶けたみたい２-Fuma

カウンター越しの恋人 ページ48

風磨が勉強を頑張るならば、私も久しぶりに同じようにお勉強を頑張ってみようと思う。

なにか資格でも取ろうと決めた。

安易だけれど一番手っ取り早く尚且つ得るものまであるなんて素敵だ。

風磨の卒論、その後の学期末試験が2月の頭で終わる。

まだ申し込みが間に合うやつで、2月の頭に試験があってっていう決め方で探したら秘書検定なんていう国家資格がヒットしたのでそれにした。

別になんだって良かった。

そんな適当な決め方であっても努力しないと受かりはしないから必死にやることにする。

試験まで2か月ちょっと。

頑張る。

スキルアップする。

信じる。

ちゃんと風磨が自慢できる彼女になりたい。






火曜日の授業前、いつものように風磨が私のいるカウンターまで来てくれた。

少し眠そう。

朝、弱いよね。

それでも取っている授業が2限からなのに早起きしてまだ1限のこの時間に大学に来てくれる。

「腹へった。」

「朝、食べてないの？」

「時間なかったんだよね。ってか昨日の夜も食ってないわ。」

「えぇ、なんで。」

「家になんもなくて。」

確かに日曜日、冷蔵庫の中は空っぽだった。

ダラダラと過ごしちゃったから…。

スーパーくらい行けばよかった。

「今日は？買物行けそう？」

「やー、今日もバイトだからな。」

「そうなんだ？」

「基本的に月から木までバイトなんだわ。」

そっか。

進学高生を2人みているってことはそんなもんか。

「あれ？月曜に一度会ったことあるよね？」

一度、そう、司と別れたあの日。

あのバーで。

あれは月曜日だった。

「ん？あぁ、それってスーツ着てたって日でしょ？会社行く予定あったから休みにしてもらってたんだよね。」

「そうだったんだ。」

じゃあ本当に偶然、超いいタイミングで私は風磨に助けられたんだね。

益々、私のヒーローじゃない？

あの日、あそこで風磨に助けてもらえていなかったらって思うと…。

かなり怖い話だよね。

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