093 ページ44
翌日の日曜は風磨の家でまったり過ごした。
べったり寄り添ってテレビ見ておしゃべりしてお腹がすいたら食べて寝て甘い空気になったら体を重ねて。
今はもう夜。
前はあり得ないって思っていた一緒にお風呂をして風磨に背中を預けて後ろからぎゅーってされてる。
甘い疲労感と、さっき風磨に頭を洗ってもらったのが気持ち良すぎて…それを未だ引きずってうとうとしちゃう。
風磨は私が何も言わず抵抗しないのを良いことにさっきから指を絡ませたり頬にキスしたり髪を弄ったり好き勝手遊んでる。
鼻歌まじりで超ご機嫌。
窓から見える外の景色はもう真っ暗でこの幸福な時間の終わりが近付いていることを表している。
さっきから機嫌の良い風磨と逆に私はどんどんと気分が沈んでしまう。
いやいや、せっかく風磨と2人の時間を過ごしてるんだからちゃんと気持ちを切り替えなきゃ。
瞬きを繰り返して眠気から脱出した。
「ねぇ、卒論の進行はどんな感じなの?」
「あー、書きたいことは、だいたいは決めているしそれなりには進んでるんだけど。」
「うん。」
「ちょっとまだまだまとめ切れてないんだよね。」
「んー。まぁでもまだ1ヶ月以上あるからね。せっかく4年勉強したんだから後悔ないようにして欲しいな。」
「ふふ、大人ー。」
「だって大人だもん。」
「だもんって言うの子供っぽいけどな。」
「・・・確かに。」
「貴女、けっこう使うのよ。拗ねてちょっと口尖がらせながらね。」
「嘘だー。」
なにそれ、そんなの子供っぽい。
え?本当?凄く恥ずかしいんですけど。
「マジだわ。それね、けっこう俺、好き。」
好きだって。
もう、たまにサラッと言うんだからドキッとしちゃうじゃん。
「子供っぽいのに?」
「お姉さんぶってるくせに全然なのが。」
「もう酷い。」
またバカにしてる。
いつも私をからかうんだから。
悔しいのに全開の笑顔で笑われるとついつい許しちゃうし。
今は後ろからぎゅってされてて顔を見れないから言い返してやるって思っても笑い声の振動が伝わってきて、またあの可愛い顔してるんだろうなって思ったらやっぱり仕方ないなぁってつまんない怒りなんかしゅんとしちゃうし。
2013人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和奏(プロフ) - キュン死にしそうやばい (2022年3月31日 3時) (レス) @page50 id: eab8bc5332 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - イチさん» 読んでいただけて嬉しいです!ありがとうございます!風磨くんと彼女さんのやりとりがすごく好きで何度も読ませていただいてます。卒論頑張れ風磨くん!(笑) (2017年10月23日 22時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あまーいふうまくんに、めちゃくちゃきゅんとします!続き楽しみに待ってます。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: 60b6eaf521 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - みちさん» みちさん!読んで下さってありがとうございます!!とても嬉しいです(*'ω'*)めっちゃ更新楽しみにしてます。毎度速攻お邪魔してます(笑)ペース早くて尊敬です。 (2017年10月22日 22時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - こんばんは。風磨くんの言葉と行動が素敵で…一気に読ませていただきました。イチさんの書かれる文章も大好きです。これからも楽しみに読ませていただきます。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イチ | 作成日時:2017年6月25日 7時