星が夜に溶けたみたい２-Fuma

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「うぅ、も、やぁ。」

「あれ置いてったの母ちゃんだから。」

「・・・へ？」

待って。なに？

母ちゃん？

「長年一緒にいて心配してくる女、母親。」

風磨のお母さん？

なにそれ。

え、なにそれ。

は？なぞなぞ？

風磨のこと一番大事で、合鍵持っていて、世話を焼いてくれる人イコール母親？

じゃあなに？

私をからかったの？

「意地悪っ！嫌い！」

「好きって言ったじゃん。」

反省してないでしょ！？

だって声が弾んでる。

笑ってる。

私で遊んでる。

「やっ、嫌い。嫌い。」

酷い。

これは酷いでしょ？

「相変わらず、嘘ヘタ。」

「嫌いだもん。」

「ねぇ、嘘でも嫌いって言わないでよ。」

「やっ、触んないで。」

「やだ。」

風磨は暴れる私を抑え閉じ込めるように抱きしめた。

その腕が温かくて余計に涙が頬を伝っていく。

「酷い。」

「ごめんって。何度も確かめてごめん。」

確かめってどういう意味？

もしかして私の気持ちを確かめたの？

だとしたら私は君を責められない。

私だってたかがスポンジ一つで不安になって風磨に確かめたのだから。

「ねぇ、好きって言ってよ。」

「・・・いや。」

「俺は、好き。Aだけだよ。本当だから信じて。」

「・・・。」

「信じてよ。大丈夫。安心して俺だけを好きでいてよ。絶対、離さない。約束するから。」

切なげに掠れた声を出して「お願い」と念押しする。

そんな甘く囁かれたら、もう。

降伏するしかない。

だって、嫌いなんて下手な嘘だから。

「風磨、好き。・・・ごめんなさい。」

「俺もごめんね？」

「ううん。」

「嫌いってもう言っちゃいけません。」

「はい。」

「嘘でもダメ。解った？」

「はい。」

「約束。俺から離れないでよ。」

甘い声で囁くように言ってあまりにも優しく微笑むから私はもう一度「ごめんなさい。」と言った。

風磨はそれに答えないで代わりに私の好きな大きな手で頭を撫でてくれた。

ごめんなさい。

もっとちゃんと信じます。

風磨のこと信じたい。

離れないから、離さないで。

ねぇ、お願い。

約束。

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