074 ページ25
「うん。そうだった。」
「いや、甘えたってこともないか。」
「そう？結構、寄っかかってるよね。」
「いや、全然。むしろさ、空回りするくらいならもっと我儘になってくんない？後々めんどいから。」
「・・・ごめんってば。」
「マジくそめんどいわ、A。」
「ねぇ、酷くない？」
酷いなんて言いながら、言ってる口元めっちゃ緩んじゃう。
めんどいの嫌って言ったのにさ、私ならいいわけ？って言ったらどういう反応するの。
「はい。もう目開けていいよ。」
そっと瞼を持ち上げると「手がかかるわ、本当。」って言われた。
「風磨って意地悪な彼氏。」
意地悪って悪態をついたのに、風磨が目元を緩めて優しい顔をして私を見下ろした。
また心臓がドクドクと大きな音を立てだす。
目が反らせなくてじっと瞳を覗いたら風磨が私の頭をポンポンと撫でて甘やかした。
「うん。そうだよ。」
なにその優しい声、響かせ方。
本当、私のこと甘やかしすぎ。
「意地悪なのに優しい彼氏…。」
「だから、もう忘れないでね。」
「ん？」
「俺はAの彼氏だってこと。」
コクリ頷くともう一度頭を撫でてくれた。
そのまま寝かしつけるように掌が髪を滑っていく。
「風磨の弟くんや妹ちゃん、可愛いんだろうね。」
「可愛いよ。年が離れてるから、余計に。」
「へぇ。いつか会ってみたい。」
「あぁ、そうだね。喜ぶと思う。姉が欲しいって言ってたし。ちょっと妄想癖が過ぎる姉だけれど。」
「もう、すぐ意地悪なこと言う。」
「だって好きだからね。」
好き？
好きな子はいじめたいってやつ？
「・・・ひねくれすぎてない？」
いやいや、呆れた表情を作りたくともやっぱり口元が緩んじゃうよね。
今、めっちゃ幸せなんだけど。
最近の私って1人で空回って落ち込んでたし、ずっと風磨に会えてなかったし。
それがもう全部私の勘違いで、今日はこうして風磨が会いに来てくれて今2人で過ごせてて、しかも風磨が私に好きと言ってくれて。
私はずっと初めから風磨の彼女だったんだって。
うん。幸せしかない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2013人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「菊池風磨」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和奏(プロフ) - キュン死にしそうやばい (2022年3月31日 3時) (
レス) @page50 id: eab8bc5332 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - イチさん» 読んでいただけて嬉しいです！ありがとうございます！風磨くんと彼女さんのやりとりがすごく好きで何度も読ませていただいてます。卒論頑張れ風磨くん！(笑) (2017年10月23日 22時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あまーいふうまくんに、めちゃくちゃきゅんとします！続き楽しみに待ってます。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: 60b6eaf521 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - みちさん» みちさん！読んで下さってありがとうございます！！とても嬉しいです(*'ω'*)めっちゃ更新楽しみにしてます。毎度速攻お邪魔してます(笑)ペース早くて尊敬です。 (2017年10月22日 22時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - こんばんは。風磨くんの言葉と行動が素敵で…一気に読ませていただきました。イチさんの書かれる文章も大好きです。これからも楽しみに読ませていただきます。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イチ
| 作成日時：2017年6月25日 7時
