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起きたら案の定、昼過ぎ。
「俺、休日は予定ガンガン詰め込んでアクティブに過ごす方なんだけど。」
「私もだよ。」
私もそうだよ。
家でゆっくりすることだってそりゃあるけど、友達と遊ぶ予定詰め込むし、買う予定の物がなくても買物に出かけたりするし、カフェ巡りだってするし、図書館に行ったりもする。
「マジで。」
「なんで?」
「インドアかと…。」
「そう?だいたいどっか出掛けてることのが多いよ?」
「へぇ。いいじゃん。」
「うん?」
「気が合うじゃん。嬉しい。」
「そうだね。」
「次はどっか一緒に行かない?」
「いいね。」
「行きたいとこ考えといて。連れてく。」
「うん。」
連れてく、だって。
次の約束、嬉しい。
「夕方くらいには乾く?」
「服?そうだね、多分。」
「明日提出のレポートがあって、ほとんど仕上げてあんだけど見直しだけしときたいから早めに帰る。」
「そっか。解った。」
「寂しい?」
「はい?」
「俺が帰るの、寂しい?」
そんなの、そりゃそうでしょ。
ずっと一緒にいたんだし、寂しくなるの普通じゃん。
別にって、いつもと同じようにそう言おうと思ったけれど寂しいのは事実だから言葉に詰まってしまって、強がるのはやめることにした。
「うん。寂しい。」
「・・・俺も。」
素直になったら風磨も素直に返すから照れくさいのに嬉しくて風磨の胸に顔を埋めた。
風磨は優しく背を撫でてくれた。
軽い昼食を2人で食べて、お茶しながら談笑して時間を過ごした。
洗濯物が乾いたのを確認して取り込んで畳んだ。
それから二人で着替えて外に出た。
夕食を外で食べて解散しようってなったから。
時間はどんどんと過ぎて行く。
楽しい時間は更に早く過ぎ去っていく。
食事の後、律儀にアパートの前まで送られた。
絶対に引き止めたらいけない。
そう思って、私から「またね」って言った。
風磨は私の頭にポンと手を置いて「またね」と返した。
私に背を向けて、まるで後ろ髪を引かれるように振り返り私の頬に左手をかけた。
切なくなって苦しかった。
見上げたら「外だからダメ」って言われた。
別に、催促してないもん。
親指で私の唇をなぞってから名残惜しそうに離れた。
たかだか5分の距離をもどかしく感じた。
自分で呆れる程に寂しかった。
今生のお別れでもあるまい。
バカみたい。
バカみたいに、好き。
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和奏(プロフ) - キュン死にしそうやばい (2022年3月31日 3時) (レス) @page50 id: eab8bc5332 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - イチさん» 読んでいただけて嬉しいです!ありがとうございます!風磨くんと彼女さんのやりとりがすごく好きで何度も読ませていただいてます。卒論頑張れ風磨くん!(笑) (2017年10月23日 22時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あまーいふうまくんに、めちゃくちゃきゅんとします!続き楽しみに待ってます。 (2017年10月23日 0時) (レス) id: 60b6eaf521 (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - みちさん» みちさん!読んで下さってありがとうございます!!とても嬉しいです(*'ω'*)めっちゃ更新楽しみにしてます。毎度速攻お邪魔してます(笑)ペース早くて尊敬です。 (2017年10月22日 22時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - こんばんは。風磨くんの言葉と行動が素敵で…一気に読ませていただきました。イチさんの書かれる文章も大好きです。これからも楽しみに読ませていただきます。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチ | 作成日時:2017年6月25日 7時